サイエンス

2025.07.10 17:00

昆虫も家畜? 人類が飼いならした2種の小さな生き物たち

カイコ(Shutterstock.com)

ミツバチ(セイヨウミツバチ、Apis mellifera)

蜂蜜の収穫(Shutterstock.com)
蜂蜜の収穫(Shutterstock.com)

セイヨウミツバチ(Apis mellifera)の家畜化は、5000年以上前、アフリカまたはアジアで始まったと考えられている。その後、ヨーロッパ出身の開拓者によって、蜂蜜生産のためのミツバチが世界各地に持ち込まれた。

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古代の人々は、食料や薬として蜂蜜が貴重なことを認識していた。最初は、木や洞窟の中の野生ミツバチの巣を見つけて蜂蜜を採取する「ハニーハンティング」が行われていたが、やがて、人工の巣箱を作ってミツバチを飼うようになった。その結果、蜂蜜や蜜蝋(みつろう)がより安定した、持続可能な形で供給されるようになった。

ミツバチの家畜化を始めた人類は、管理しやすく生産性の高い性質を求めて、ミツバチの行動の改良を進めた。ミツバチには「分蜂(巣分かれ)」という習性があるが、選択的な交配でこれを抑制することで、ミツバチの管理と蜂蜜採取をやりやすくした。

巣の管理を効率化する道具や手法も開発され、藁(ワラ)製や木製の巣箱、さらには可動式巣枠が導入された。養蜂の営みは、ヨーロッパや地中海沿岸の全域に広がった。養蜂は作物の受粉を補助するため、農業にも欠かせないものになった。

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ミツバチの家畜化は、蜂蜜の生産を変えただけでなく、農業や生態系にも影響が及んだ。ミツバチが各地に持ち出されることで、作物の受粉の管理が進み、収量が増加した。やがて、蜂蜜と蜜蝋の商品価値が高まると、家畜化されたミツバチは世界中に広まった。

ミツバチは、今も世界の食料生産に欠かせない。さまざまな作物の受粉を媒介して、生物多様性の維持にも貢献している。ミツバチの家畜化は、現代の農業を支える重要な要素の一つであり続けている。

forbes.com 原文

翻訳=緒方亮/ガリレオ

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