KYOTOGRAPHIEの期間中、京都新聞社本社ではほかのクロニクル作品や制作プロセスの展示が行われた。ちなみに、JRのモノクロ作品には、「写真を始めたころにお金がなかったから。でも、街にはカラーの広告ばかりだから逆に目立って、それ以来自分のスタイルにした」という背景がある。
完成した京都の縮図を前に、「クロニクルは“街の鏡”なんだ。カルチャーもルーツも違う人が同じ街にいて、一緒に暮らしていく。そんな象徴として見てもらえたら」とJR。いずれは市内の別の場所で常設展示されることを願っているという。
大作をつくるには、膨大な時間と労力、そしてコストもかかる。もちろん支援者がいるが、JRは世界中どこのプロジェクトでも、スポンサーの名前を出さないことを徹底している。ゲリラ的な作品も、ほとんどはその地にインスパイアされ、写真を撮っていくうちに「この場所を使わないか?」と声がかかるのだという。それこそがアートであり、アーティストの魅力なのだろう。

JR◎アーティスト。1983年、フランス生まれ。パリとニューヨークを拠点に活動。写真、ストリートアート、映像で社会的関与を織り交ぜた作品を制作。世界各地のスラム街、多数の公共施設で、サイトスペシフィックな作品を次々と展開する。


