油には、放置しておくと自然発火して火災を招くものがある。とくに気温が高くなる夏には、油分を含んだ布や紙などを放置しておくと酸素と反応して発熱し、発火する恐れがある。油を拭いた布や紙の扱いには十分に気をつけよう。
製品評価技術基盤機構(NITE)は、高温環境で起こりやすくなる油の自然発火事故について注意喚起をしている。意外なものが火災の原因になるので、なぜ油は自然に燃えるのか、適切な対処方法を知っておくことが大切だ。
油のなかでも発火しやすいのが、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸を含むものだ。これらは不飽和脂肪酸と呼ばれ、炭素の二重結合を含むため酸素と反応しやすい。これらを含む油を染み込ませた雑巾などを高温環境に放置しておくと、酸素と反応して酸化熱が生じる。さらに放置すれば熱が蓄積され、やがて発火点に達して燃え上がる。

オイルマッサージなどに使われるホホバオイルや床用ワックスにはオレイン酸、グレープシードオイルやひまわり油にはリノール酸、アロマオイルや塗料に使われる亜麻仁油にはα-リノレン酸が多く含まれている。
実際に起きた火災事故には次のようなものがある。
・エステ店で使用したバスタオルを洗濯乾燥機で乾燥させたところ、槽内で発火。
・鮮魚店で魚を拭いたタオルを洗濯し、ガス衣類乾燥機に入れたところ発火し、乾燥機が焼損。
・塗料を拭き取った雑巾を枯れ草といっしょにビニール袋に入れて保管しておいたら、7日後に自然発火。
たいていの乾燥機には、油の付着した衣類は洗濯後でも絶対に入れないよう注意書きがある。洗濯しても油分は取りきれないことが多く、熱を加えるのは危険だ。鮮魚店の例も同じ。乾燥機には、油を拭いた布や油が付着した衣類は入れないのが鉄則と心得たい。
なぜ、布や紙に付着した油が発火するのかと言えば、液体の状態よりも酸素に触れる面積が格段に増え、酸化しやすくなるためだ。そのため、油を拭き取った布や紙などを捨てるときは、水に浸してから廃棄するのが望ましい。揮発性の高い油製品への引火事故にも、気温が高い夏には要注意だ。



