生成AIの登場で、検索方法や結果の表示方法に変化が生まれている。これまでは「ググる」に代表される検索サイトでキーワードを打ち込み、ベストな結果を羅列する形式が主流だった。ところが生成AIの登場以降、ChatGPTやGeminiアプリなどで知りたいことを聞けば、AIが情報を集約してまとめて表示してくれるようになった。さらに、検索サイトでも同様に生成AIによる概要がトップに提示する動きが加速している。
このような検索手段や結果の提示の新たな流れは、これまでSEO(検索エンジン最適化)対策と呼ばれる検索順位付けに力をいれてきた企業にとって、新たな対応が求められる時代が到来したことを意味する。
そんなSEO対策と影響について、マーケティングメディア「LIFT」を運営するゴンドラが「AI OverviewsによるSEO影響と対応実態」に関するアンケート調査を実施し、結果を公開している。
それによると、Googleの生成AI検索「AI Overviews(AI による概要)」への対応状況について、「まだ特に対策はしていない/情報収集中」が35.6%でトップだが、「AIが拾いやすい構成を導入している」が34.7%、「LLMO対応のコンテンツ設計をしている」が31.7%と、全体的にみるとすでにAI検索対策に着手していることが多いことがわかる。

また、AI OverviewsやAI検索エンジンの普及により、ユーザー行動に変化を感じているかについては、「特に大きな変化は感じていない」が26.6%、「指名検索での流入が以前より増えた」「direct/referral由来の流入で新しい傾向がある」が20.9%と続いている。変化を感じていない人はまだ多いものの、これまでとは異なる傾向に薄々気づいている企業も増えてきているようだ。

AI検索時代において、今後SEOで重要になる施策は何かの問には、「LLMOに対応しコンテンツ設計」が17.5%、「AI Optimizationを意識した見出し構成や情報整理」が17.0%、「構造化データやFAQ強化」が16.5%などとなっている。AI経由の導線に対し、新たな測定手法が必要になっているようだ。

最後に生成AI検索の影響によりSEOと広告の役割を再定義したかについては、「広告に重きを置いている」が30.2%、「SEOに重きを置いている」が26.4%と、広告のほうが若干上回る結果となった。

AI検索時代は、すでに多くの企業が「整理・構造化されたコンテンツがAIに引用される可能性が高い」という特性を理解しており、AI Optimization対応を進めているようだ。ただ、まだ過渡期の段階。今後も進化していくAI検索に対して、最適な対策を打っていく必要がある。
出典:ゴンドラ「AI OverviewsによるSEO影響と対応実態」より



