経営・戦略

2025.07.18 17:30

未来提案型のコンサル営業で利益構造を改革、NECネッツエスアイの挑戦

NECネッツエスアイ|飯塚富男(中央)、藤澤幸太(右)、山本 憲(左)

コンサル力を磨くのに大きな役割を果たしたのが上流ワークショップだ。フィールドセールスがBPIメンバーや外部コンサルに、自分の案件をもちこみロールプレイング。本物の案件なので自然に熱が入る。

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デジタル活用も進めた。従来は知見が個人にたまりがちだったが、ツールで共有する施策を推進。例えば業種業界ごとにカスタマイズした提案書や、商談フェーズごとのナレッジを営業組織全体で共有した。「ツールに入力しない・閲覧しない問題」が起きがちだが、グループマネージャーの山本憲が定着の秘訣を説明してくれた。

「ナレッジをシェアすることを称賛する文化を醸成しています。具体的にはツールの利用が多い個人上位50人を表彰したり、優れたナレッジを選んで賞金を出したりしています。また、自分で探さなくても、案件の進捗を入力すれば必要なナレッジが自動でレコメンドされる仕組みを構築しました」

ナレッジのレコメンド機能は経験の浅い若手の底上げに役立つだが、実はエース級もよく利用しているという。「エース級はトーク勝負で、提案書などを作成する作業を効率化したい。ほかの施策も合わせた効果ですが、23年度の1人当たり商談準備時間は19年度比で25%削減。実際の商談に充てられる時間が増え、年間商談件数は1.7倍に増えています」(山本)。

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一連の改革の結果、コンサル営業が浸透しリピート顧客数は117%に増加。24年度の利益率は19年度比で2%以上改善し、「今後3年間でさらに2~3%の改善を目指す」(飯塚)と収益性の向上にも手応えを感じている。

実は事業部を巻き込んで新設したBPIは25年春からマーケットクリエイション戦略本部に衣替え。事業部側から集めたメンバーは元の組織に戻り、今度は事業部のSEに顧客視点をもたせる役割を担う。また、藤澤や山本らBPIの中核マネージャーは経営企画部の所属になり、マーケットクリエイション戦略本部と兼務。経営と営業の連携を深めていく。

飯塚は意気込みをこう語る。

「営業変革の第一フェーズは成果があった。今後は営業主導で“全社営業”の体制をつくっていきます」

CEO`S MESSAGE

牛島祐之|代表取締役執行役員会長 兼 CEO
今回の取り組みは、個人の力に依存せず組織全体で営業力を高めるという当社の目指す姿を具体化したものです。現場の工夫とチームの連携が顧客価値を最大化する新しい営業の形を示してくれました。


飯塚富男◎執行役員常務 兼 営業統括本部長(中央)

藤澤幸太◎執行役員 兼 営業統括本部 マーケットクリエイション戦略本部 主席主管(右)

山本 憲◎経営企画部 マーケットインテリジェンスグループマネージャー兼営業統括本部 マーケットクリエイション戦略本部 マーケット戦略グループ担当部長(左)

文=村上敬 写真=吉澤健太

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