資産額140億ドル、フォーブス「世界長者番付」2025年版165位の大富豪を父にもつマーク・ダリオは本誌独占のインタビューで、海洋探索船などに巨億をつぎ込む理由を「人類の未来への投資」と語った。
非営利団体「OceanX」の共同創業者マーク・ダリオは、ナショナル・ジオグラフィック誌の元アソシエイト・プロデューサーで映像作家だ。
その父で億万長者のレイ・ダリオは世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」の創業者で、『世界秩序の変化に対処するための原則なぜ国家は興亡するのか』などの著者としても知られる。最近、中国の習近平国家主席が外資企業の中国離れを食い止めるために開催した、企業経営者たちとの世界的な会談に参加したことで日本でも話題になった。
父子は2018年に、海洋探査と保全、そして映像制作を目的として非営利団体「OceanX」を立ち上げた。当時、父レイは、海洋保全に関する最初の4年分の活動費として1億ドルを投じた。ちなみに映画『アバター』や『タイタニック』で知られる映画界の巨匠ジェームズ・キャメロンもこの活動に賛同している。
OceanXの海洋生物学研究と映画製作を支えるのが最先端の海洋科学調査船「OceanXplorer」だ。石油採掘の支援に使われていたノルウェーの船を、研究実験施設と撮影用セットを備えた調査船に改造した。OceanXplorerは1回の探検で一気通貫に未知の生態系をマッピングし、若手研究者を指導し、その旅を世界中の教室や聴衆に放送することができる。
幼い日、父とのダイビングで悟った「無知」
マークは億万長者である父レイから伝授された人生哲学についてこう語る。「父からはお金の使い方よりも、長期的に考えること、重要なことをやり遂げることを学び、たとえ時間がかかっても突き進むようにと励まされた」。
レイは「長期的に考えること」の重要さについて、冒頭の自著でも触れている。例えば重要な3サイクルのひとつとして「債務と資本市場の長期サイクル」を紹介し、「私たちは、大きな流れのパターンやサイクル、それらを動かす関連する重要なイベントを見て、私たちは今サイクルのどこにいるのか、何が生じる可能性があるのか、といった広い視点を持つ必要がある」とする。



