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2025.07.09 12:30

AIが広がる世界の学校教育、その陰で深まる「AIリテラシー」格差

Moment Makers Group / Getty Images

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人工知能(AI)は教育機関で任意で導入できるものから学生の学習に不可欠なものへと移行しつつあるのかもしれない。少なくとも、2025年秋までに学部課程全体にAI教育を組み込むという米オハイオ州立大学の動きはそうした移行を示唆している。そして、変化が見られるのは同大学だけではない。少し遡るが、カリフォルニア州では2024年10月にAIリテラシーをカリキュラムに組み込むことを義務付ける法律が成立した。

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ドナルド・トランプ大統領は2025年4月に、米国の若者に「次世代のAIテクノロジーを使用したり生み出したりするために必要なスキルと理解を培う機会」を提供することを目的とした大統領令に署名した。その直前には、中国が今秋から全国の初等・中等教育の全生徒にAI教育を義務付けた

教育者や政策立案者、起業家は間違いなくAIの可能性に注目している。仮想教室などのプラットフォームを運営するDaMeta1(ダメタワン)の共同創業者兼CEO(最高経営責任者)、そして公的機関や民間機関と緊密に連携してインテリジェントな学習システムを導入してきたワカス・スハイルは「教育におけるAIは目新しいものではなく、インフラとなり、静かに素早く、そして不均等にシステムの一部になる段階に入りつつある」と言う。

これらのツールの使用方法の倫理面での疑問が渦巻き、誇大な触れ込みはすでに雲散霧消しているが、主要なトレンドはこのテクノロジーが教育分野においてさえも物事を劇的に変えていることを示唆している。

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翻訳=溝口慈子

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