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2025.07.09 11:00

賃金交渉では「落ち着いた人」が勝つ 気後れせず報酬アップを引き寄せる6つの方法

Shutterstock.com

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賃金の交渉というものは、たとえベテランのプロフェッショナルであっても、緊張感やさまざまな感情の波に翻弄され得る場だ。しかし、ここで心得ておきたい鉄則がある。それは、こうした重要な場面では「落ち着いた態度」こそが、単なる「あると望ましい特質」にとどまらず、交渉相手を押し切る決め手になる、ということだ。

冷静で地に足がついた態度を保ち、戦略的にふるまえば、面接の相手に対して、より良い印象を残すだけでなく、自分の価値に見合ったオファーを勝ち取る確率も大幅に上げられる。落ち着いた態度は、自信、統率力、明晰さという、敬意の獲得につながる特質を備えていることを示すものだ。

では、賃金交渉という非常に重要な場面で、冷静さを保ち、説得力のある態度を維持するための方法を説明していこう。

1. 交渉の場に臨む前に、戦略を立てる

自信は、入念な準備から生まれる。何らかの話し合いの機会を持つ前に、自身の役割や業界、働く場について、平均的な賃金はどのくらいかという相場を調べておこう。

「Glassdoor(グラスドア)」や「Levels.fyi」、Payscale(ペイスケール)といった「企業に関する口コミを集めたサービス」をチェックして、自分はどのくらいの稼ぎがあってしかるべきなのか、現実的なイメージをつかむといいだろう。

「理想的な額」「この仕事で目標とする額」、さらには「低過ぎてオファーを蹴る」レベルについて、あらかじめ具体的に決めておくことが必要だ。

だが、この重要なステップを飛ばしてしまうプロフェッショナルは多い。ResumeGenius(レジュメ・ジーニアス)の調査によると、一度も交渉することなく最初に提示されたオファーを受け入れる人は、米国で働く人全体の55%に達している。

その理由としては、交渉すること自体に気まずさを覚えるからという回答が多い。あらかじめ準備をしておくことで、明晰さと自信を手にでき、多額の報酬を得るチャンスを逃す事態を避けられる。

次に、自らの価値を明確に説明しよう。自分がターゲットとしている額の根拠となる、成果や経験、スキルとして何があるだろうか? それらを書き留めておこう。これらのポイントをどう簡潔に提示するか、あらかじめリハーサルしておけば、重要な交渉の場でも落ち着きを保つために役立つはずだ。

2. プレッシャー下でも冷静さを保つために事前練習をしよう

事前練習は、「言うべきこと」を把握しておくために必要なだけではない。重要なポイントを「どう伝えるべきか」についても、事前練習をしておこう。

友人やメンター、あるいはそうした人がいなければカメラが相手でもいいので、交渉の場での話し方についてリハーサルをしておこう。安定した声のトーンを保ち、オープンな姿勢を見せ、明晰に発言するようにしよう。こうした準備により緊張が和らぎ、ボディーランゲージと声で自信を表せるようになるだろう。

また、予想されるネガティブな状況に備えるために、ロールプレイングのシナリオを使うようにしよう。「私の経験や、これまで見てきた市場データに基づいて、これに近い実績が出せると判断しました」「高いレベルで貢献できる自信があります。また、双方にとってプラスになることでしたら、喜んで意見をすりあわせる用意があります」といったフレーズを練習しておこう。

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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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