次に、製品構成の問題がある。Mシリーズのチップセットの登場により、アップルは性能面でMacBook AirとMacBook Proを差別化するという課題に直面した。確かに、Proモデルは大きなパワーを持つが、平均的なプロシューマーにとって、MacBook Airでも日常的な使用、開発ツール、そしてマルチメディア作業のいずれにおいても十分すぎる性能を持っている。
では、Proモデルと一般消費者向けモデルを明確に差別化するにはどうすればよいか。
もしMacBook ProがMシリーズのチップセットを搭載し、MacBookがAシリーズのチップセットを搭載するならば、そこに明確な差別化が生まれる。日常使用には十分なパワーを持ちつつも、MacBook Proの領域を侵さないノートブックの誕生だ。
最後に、価格という興味深い問題が残る。100ドル(約1万4600円)の学生割引や整備済み製品ストアで提供される割引価格はさておき、アップルは伝統的にノートブックで999ドル(約14万6000円)の価格帯を下回ることに消極的であったが、目立たない例外が存在する。実はウォルマートは、2020年モデルのM1搭載MacBook Airを649ドル(約9万4700円)で販売し続けているのだ。アップルが直接販売しているわけではないが、アップルによって認可され、承認されている。これはまたアップルが「低価格帯」ノートブックの販売可能性と顧客からのフィードバックに関する広範なデータを持っていることを意味する。
古いMacBookの置き換え
M1搭載のMacBook Airは発売から5年が経ち、この先ずっと販売し続けることはできない。今やアップルは、macOSノートブックとしては比較的低スペックだがM1を凌駕するチップセットを搭載したMacBookの開発に取り組んでいるという。低スペックで低価格なMacBookに関する試験的な販売は成功しており、MacBookのポートフォリオを拡大してより多くのユーザーを取り込もうとしている。そして、競争の激しい中価格帯のWindowsノートパソコンやChromebookに対抗できるmacOSノートブックへの需要も存在している。
これが、MacBookを再定義し、忠実なユーザーを惹きつけ続ける方法だ。MシリーズをAシリーズに模様替えし、それを999ドル未満で販売するのだ。


