3. 支配を安心と勘違いしている
恋愛における安心感を考えるとき、人は困ったときに頼れる人を思い浮かべる。疲れて運転ができないときに代わってハンドルを握ってくれたり、休んでいる間に家事を引き受けてくれたり、辛いときに支えてくれたりする人だ。
気持ち的にはあなたが眠るときに毛布をかけてくれるのと同じことだ。相手が自分のそばにいることを確実に知っている。それこそが、多くの人にとっての安心感であり、人生で何が起ころうとも1人で立ち向かうことはないという感覚だ。
支配を安心感として美化してしまうと、そうはならないことが多い。支配は微妙なものだが、相手の以下のような言動には注意が必要だ。
・他人があなたをどう見るかを気にして、特定の服装をするよう促す
・あなたの友人や家族について否定的なことを言う
・他の人の前で冗談を装ってあなたを貶める
・あなたが自分のために何かをした直後やその前に喧嘩をふっかける
・離れて過ごすことに罪悪感を抱かせる
・過剰なほどに愛情を示し、その後に無視する
操ろうとするこのようなサインを気遣いだと取り違えることがあるかもしれない。
専門誌『Sex Roles(セックス・ロールズ)』に2016年に掲載された研究では、ある種の恋愛観、例えばすべてを犠牲にしても愛を理想化したり、嫉妬をコミットメントの証と見なしたり、あるいは恋愛関係は激しく感情的であるべきだと考えたりすることが、支配的行動を美化する傾向とどのように関係しているかを調べた。
調査は18〜50歳の異性愛者の女性275人を対象に行われ、これらの考え方に賛同する女性は支配的行動(嫉妬、独占欲、相手のために意思決定することなど)をロマンチックなものとみなす傾向がかなり強いことが明らかになった。こうした美化は、パートナーから心身への暴力を受けていることが多いことと関連していた。
これらの危険信号を認識することなく、愛を示すものと解釈してしまう人もいるかもしれない。安心感のように感じるものは実際には支配の常態化である可能性もある。
愛をめぐって葛藤しているとき、「もし大親友がこのような状況に陥っていたら、それでも大丈夫だと思うだろうか」と自問してみよう。
危険信号をずっと美化していたのかもしれないと認識したとき、あなたはようやく安全かつ揺るぎない現実のものと感じられるつながりを選び始めることができる。


