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2025.07.07 09:00

日本の購買力平価が大幅に下落、東京の生活の質は世界26位 ドイツ銀行

生活の質で世界26位となった東京(Shutterstock.com)

生活の質で世界26位となった東京(Shutterstock.com)

ドイツ銀行が世界各都市の物価や生活の質を基に格付けした2025年版の報告書で、ルクセンブルクが世界で最も住みやすい都市に選ばれた。

今回で9回目となるこの報告書は、アブダビからチューリヒまで、金融市場に関連する世界69都市について、家賃や電話代のほか、コーヒーやビール、タクシー、映画、衣料品など、生活に関わるさまざまな商品やサービスの価格を比較調査している。

報告書は、「国際サッカー連盟(FIFA)のランキングで90位を下回っている」ルクセンブルクが生活の質では世界一となったことを「驚き」だと紹介。ルクセンブルクは高所得や無料の公共交通機関など、生活の質が全般的に高く、チューリヒやジュネーブのような裕福な都市を上回った。

地元のメディア企業RTLは、ルクセンブルクが購買力(6位)、通勤時間(5位)、大気汚染レベル(4位)で高い評価を得たと報道。「公共料金は世界的に見ても最も高額な部類には入っていない。これは、光熱費や水道代といった生活に必要な月々の費用が他の都市と比較しても中程度にとどまっていることを示している」と伝えた。

報告書によれば、ルクセンブルクの住宅ローン支払いが世帯収入に占める割合は比較的小さく、ブリュッセルやシカゴといったより物価の安い都市と同水準だという。これに対し、RTLは、「これは多くの住民にとって驚きかもしれない」として、住宅問題が依然としてルクセンブルクの有権者の最大の関心事であることに触れた。

ルクセンブルクに続いて生活の質が高いとされたのは、コペンハーゲン、アムステルダム、ウィーン、ヘルシンキだった。物価が世界最高水準にあるチューリヒとジュネーブは上位5位から外れた。

ルクセンブルクの平均手取り収入は過去5年間で39%増加し、6156ドル(約88万9000円)となり、ジュネーブ、チューリヒ、サンフランシスコ、ボストンと並び世界で最も高かった。ルクセンブルクの購買力は2000年以降大幅に高まり、ランキングで14位上昇している。また、1971年以降の平均インフレ率は3.4%と、世界でも最低水準にある。

その他の金融ハブである東京は26位、パリは44位、香港は48位、ロンドンとニューヨークは50位と低迷したが、いずれも家賃の高さや通勤時間の長さ、大気汚染の深刻さなどにより生活の質の評価が下がる結果となった。

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翻訳・編集=安藤清香

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