ウクライナでのドローン(無人機)戦を追っていると、見慣れないものを見るということ自体に慣れてくる。車両のタイヤをパンクさせるため、はるかローマ時代にさかのぼるカルトロップ(鉄菱)をばらまくドローンもあったし、重量物を運ぶために4機のFPV(一人称視点)ドローンを十字状に連結した大型ドローンもあった。しかし、水中に潜んだFPVドローンがロシア軍の仮設の橋を破壊するというのは、間違いなく初めて目にするものだ(動画を見つけたジャーナリストのティム・ホワイトに感謝したい)。
Here's something you don't see every day.
— Tim White (@TWMCLtd) June 30, 2025
Ukraine's 151st Motorised Rifle Brigade published this video showing how they an underwater FPV drone to destroy a Russian river crossing.
I guess this is in Kharkiv region, date unknown. pic.twitter.com/QKbo23trY2
国産FPVドローン「シュライク」の新型か
ある意味、これは驚くべきことではなかった。今年2月、わたしたちは「シュライク・スペシャルエディション」について報じていた。これはウクライナのFPVドローン「シュライク」(英語で「モズ」の意味)の新型で、着水して潜水し、再び離水する能力を持つ。ウクライナのドローン専門家セルヒー・フレシュ(フラッシュ)が公開した動画で、性能も実演されていた。
当時、このドローンは新しいタイプの「待ち伏せ攻撃ドローン」とみられていた。池や湖、水をたたえた溝、貯水池などの水中に潜み、発見するのがほぼ不可能な攻撃ドローンだ。だが今回の動画は、このような潜水可能ドローンが別の目的にも使えることを示している。
ウクライナ軍の第151独立機械化旅団が通信アプリのテレグラムに投稿したこの動画には、ウクライナ北東部ハルキウ州のどこかとみられている渡河地点が映っている。もともと架かっていた道路橋が破壊された(水中にその残骸が見える)あと、ロシア軍は電柱ぐらいの太さの丸太3本を渡して、歩行用の簡易的な橋を設けていた。
映像によると、仮設橋の片側端付近の水中にウクライナ軍のFPVドローン1機が潜んでいた。ドローンは爆発し、カメラが引いていくと橋が破壊されたことが確認できる(第151機械化旅団は投稿文で「水中FPVドローン」を用いて「敵の渡河地点を破壊」したと説明し、寄付を募るリンクも貼っている)。
この破壊によってロシア側には多少不都合が生じたかもしれないが、丸太3本の破壊というのは大きな損失とは言いがたい。また、この程度の目標であれば爆撃ドローン、あるいは通常のFPVドローンでも容易に攻撃できただろう。ウクライナ側は、丸太橋を吹き飛ばすのになぜわざわざ特殊なドローンを投入したのだろうか?



