AIの創造性に注目
フューチャー・サウンド・アワードの主催者は、音楽分野においてAIが持つ創造性という点での可能性と、音楽業界全体でどのように責任を持ってAIを使うことができるかを明らかにしたいと述べている。
コンテストの応募作品はすべて、コンテストのパートナーとなっている、AIを活用した音楽生成ツールのTwoShot(ツーショット)を通じて作成・検証されたものでなければならない。TwoShotでは、ユーザーは追跡可能かつ使用が許可されているオーディオライブラリーを使って楽曲を作成できる。TwoShotのユーザーは自分が手がけたオーディオをアップロードすることもできるため、TwoShotでは著作権で保護されたコンテンツが楽曲に含まれていないかを自動で調べる。ルールに則っていると判断された応募作品は、音楽共有プラットフォームのSoundCloud(サウンドクラウド)が提供するランキングで紹介される。コンテストは18歳以上であれば誰でも応募でき、楽曲のジャンルや歌詞の言語は問わない。応募は無料。
審査員のナンは、AIで作られたものではない音楽と同じクオリティを評価すると話す。「構成やスタイル、センスを常に求めている」という。
ナンは、ユーザーがAIシンガーを作成できるツールControlla Voice(コントロラ・ボイス)を手がけるスタートアップを共同で創業し、このツールで自分の声を使った合唱団を作ったことがある。「新世代の音楽クリエイターたちが、AIツールを使ってどんな作品を作っているのか楽しみにしている」と語る。
別の審査員、ヨシュア・ヴァフビンガーはその新世代の先駆者だ。
バターブロという芸名で活動するオーストリアのミュージシャンであるヴァフビンガーは、Udio(ユーディオ)を使って楽曲『Verknallt in einen Talahon』を作った。完全にAIで作られた楽曲をドイツのシングルランキングに登場させた、初のアーティストとなった。この曲はシュラーガーという欧州の伝統的な音楽スタイルと軽快なポップ音楽を組み合わせており、歌詞の内容は移民に恋心を抱くドイツ人少女の物語となっている。
ヴァフビンガーは、フューチャー・サウンド・アワードによってプラットフォーム上でミュージシャンを尊重しつつ、イノベーションを促進する方法についての議論が起こり、その一方で AI活用の実験は創造性を放棄することではないことをアーティストたちに思い出させることを期待すると語った。
「新しいテクノロジーを試すとき、常に楽しみを忘れないことが重要であり、その取り組みの中心にいるかどうかは、人間である私たちが決められることを忘れてはならない」とヴァフビンガーは言う。
「AIは道具であると同時に、使い方によってはコラボ相手にもなると考えている」とヴァフビンガーは語り、「人間味がその中心にある」と付け加えた。


