2022年の「那須川天心 VS 武尊」が記憶にある人は多いのではないだろうか。50億円超を売り上げた世紀の一戦。その裏には、ひとりの“再建屋”の姿があった。
「お金に興味がない」という彼の周りでは、大きな話が動き続けている。
かつて多くの芸術家が住んだNYソーホー。ブルームストリートに赤レンガづくりの建物がある。ソーホーには歴史のある建築物が多いが、1920年頃に建てられたこの建物も、目立つことなく周囲に溶け込んでいる。
実はこの建物は、1971年、ジョン・レノンがオノ・ヨーコとNYに移住したときに最初に購入した物件だ。かの有名なダコタハウスに引っ越すまでの2年間を過ごした。80年にジョンは射殺されるが、ヨーコはその後もソーホーの建物を所有し続け、アートスタジオ・音楽スタジオとして活用していた。
古びた外観からここで偉大なミュージシャンが創作活動をしていたことを想像するのは難しいが、意外なことがもうひとつある。ヨーコと息子のショーンは24年、この物件をひそかに売りに出した。売出価格は550万ドル。それを、日本の実業家が購入した。
「ショーンが出した条件は、両親の物語を使ってここで商売しないこと。私にそのつもりもなかったし、投資して儲けるつもりもない。エージェントから接触があって、ジョンとヨーコが制作活動をしている様子が頭に浮かび、直感で購入しました」
こう明かしたのは、明豊エンタープライズ会長兼社長の矢吹満だ。同社は賃貸用マンションデベロッパーだが、矢吹は個人やその資産管理会社で数々の不動産を所有。NYでは、プラザホテルや五番街のトランプタワーの一区分も所有している。
「購入したのは45階前後のセントラルパークビュー側です。トランプ大統領は所有する最上階を68階と呼んでいますが、本当は58階しかない。エレベーターも途中で10階分飛ばしてます」と、住民ならではの裏話を明かしてくれた。



