企業が期待するのは「専門性とマネジメント力」
異業種出身のミドル人材を採用する企業が期待することは圧倒的に「経験職種での専門知識・専門スキル」(75%)が多かった。次いで「マネジメント力」(46%)が続き、即戦力としての活躍が強く期待されていることがわかる。
また「新しい環境でも主体的に動ける行動力」(40%)への期待も高く、異業種人材には専門性、マネジメント力、適応力という複数の要素が同時に求められている実態が浮き彫りになった。
転職コンサルタントからは「若手の育成(マネジメント)業務にも期待する企業が多いと感じる」「どの会社も成長意欲、新しいものを吸収することに抵抗がない人を求めている」といった声が寄せられた。
年収低下への抵抗が最大の壁
一方で、異業種転職が実現できない理由として「年収や待遇が下がることを求職者が受け入れられないため」(49%)が最多となった。「本人の希望と企業が提示する待遇にギャップがあるため」(48%)も僅差で続き、条件面での折り合いが最大の課題となっている。さらに「ミドルにおける業界未経験OKの募集が少ないため」(45%)といった、構造的な問題も浮かび上がる。
転職コンサルタントは、注意点として「自身のキャリアを客観的に評価し、過度に期待値を上げすぎないこと」「異業種への転職では年収ダウンも受け入れる必要がある。中長期的な目線で、自身のキャリアにとってプラスになるかを考えると良い」と助言している。
今回の調査結果では、業界の先行き不安を背景に、ミドル世代の異業種転職への関心が高まっている様子を見てきた。年収低下への抵抗などの課題はあるものの、業界を越えたキャリア形成を目指す動きは今後も続きそうだ。
【調査概要】
調査対象:『ミドルの転職』を利用するコンサルタント174名
調査期間:2025年4月30日~5月7日
調査方法:インターネットによるアンケート


