欧州

2025.07.04 17:00

ウクライナ軍のドローン、たった1機で橋を破壊 「起爆装置」の本領発揮

ウクライナ軍のドローンによって爆薬が起爆され、破壊された橋(Xより)

ウクライナ軍はこのようなぜいたくな航空戦力を持たないし、ロシア側の手強い防空網も存在する。だからスカイ・ライダーズは、おそらく2kgもない弾頭を積んだFPVドローン1機を飛ばしたのだった。操縦士はドローンを橋の下に進ませ、ロシア側によって設置されていた爆薬の位置を確かめた。

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橋は、敵の手に落ちる可能性がある場合、あらかじめ爆破準備を施しておくことがよくある。橋を爆破して崩落させるのは、数時間はかかる複雑な作業になるので、爆薬は事前に仕掛けておく必要がある。敵が橋に迫ってからでは間に合わないかもしれない(2022年2月、ウクライナ軍は南部ヘルソン州のヘニチェシク橋を急きょ爆破しようとしたが、遠隔起爆がうまくいかず、工兵のビタリー・スカクンがみずからの命を犠牲にして手動で爆破し、ロシア軍の進軍を大幅に遅らせた)。

今回の爆破任務ではおそらく、前もって偵察ドローンが爆薬の正確な位置を特定していたので、FPVドローンの操縦士はドローンをそこに直に向かわせることができたのだろう。上空から監視していたドローンの映像には、爆薬が起爆され、橋の径間部が丸ごと破壊される様子が映っている。

これは唯一の事例というわけではまったくない。ウクライナ軍の名高いドローン部隊「マジャールの鳥」が4月に公開した動画でも、別の橋が同様の手法で破壊されていた。攻撃したFPVドローンは、光ファイバーケーブルを通じて操縦されていたことが明らかにされている。無線通信の場合、ドローンが見えない位置にもぐり込んだ際などに通信が失われることがあるが、その心配がなかったということだ。

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ロシア軍も同じ戦術を用いている。3月にソーシャルメディアに投稿された動画には、ウクライナ軍が侵攻していた西部クルスク州スジャの東方に架かる橋を、コンクリート製橋脚の基部に設置された爆薬をFPVドローンで起爆させて爆破したとされる様子が映っている。ただし、この橋が実際にどの程度損傷したのかは判然としない。また6月には、ウクライナ東部ドネツク州シベルシク北部の橋が同様に、FPVドローンで爆薬を起爆させて爆破された様子とされる動画も共有されている。この場合は、橋の径間部全体が崩落したことが確認できる。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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