オウムアムアと宇宙人
恒星間天体はこれまで2例しか確認されていなかった非常に珍しい存在だ。天体観測史上初めて確認された恒星間天体は、2017年10月19日にハワイに設置された全天観測望遠鏡「パンスターズ1(Pan-STARRS1:PS1)」によって発見されたオウムアムア(1I/2017 U1 ('Oumuamua))である。ハワイ語で「遠方から来た初めての使者」を意味する。
オウムアムアは小惑星にしては移動速度が速すぎ、しかも加速していたが、彗星のようにガスや塵を放出してはおらず、太陽系外からやってきた小天体をめぐる天文学者の仮説に挑戦するかのような奇妙な挙動を示す天体だった。また、明るさが数時間ごとに大きく変化したが、これはソーセージのような細長い形状で回転していたためとみられる。
こうした特徴から、オウムアムアは高度な地球外文明が作り出した人工物ではないかとの推測も登場した。その後、天然起源の天体であるとする研究結果が発表されたが、発見されたのが太陽系を離脱する途中であったため観測は困難で、もどかしい結果となった。このため、22年かけてオウムアムアを追いかけ探査するミッション計画が提案されている。
「はぐれ」彗星の訪れ
観測史上2例目の恒星間天体であるボリソフ彗星(2I/Borisov)は、2019年8月30日にウクライナ南部クリミア半島を拠点とするアマチュア天文学者のゲンナジー・ボリソフが発見した。見た目も挙動も通常の彗星に似ていたが、非常に偏心した軌道を描いており、太陽系外に起源をもつ天体の証左とされた。
恒星間天体はどのくらい「ありふれた」存在なのか
望遠鏡や天体観測の技術が向上するにつれて、さらに多くの恒星間天体が見つかるだろう。2021年の研究論文によれば、ESAの天体観測衛星ガイアのデータを用いた試算で、オウムアムアのような恒星間天体は年間7個ほどが太陽から1天文単位(地球と太陽の間の平均距離)以内を通過するとの結果が導き出されたという。また、10年に1回はボリソフ彗星のような恒星間彗星がやってくるほか、別の銀河からの天体も100年に3回ほど訪れるとの試算結果が出ている。


