リーダーシップ

2025.07.12 08:45

「目を見て話す」神話は誤解か 「うっかり目が合った……」ときの視線マネジメント

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脳科学的にお話しすると、脳には「顔領域」とよばれる顔認識専門のゾーンがあるほど、人は顔に反応するようにできています。

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たとえば、壁の汚れやお風呂の水滴、写真にうつった影が人の顔に見えるといった経験はありませんか。

これは「シミュラクラ現象」といって、顔に似ているものを見ると、脳は顔だと判断してしまい、逆三角に配置された点(∵)ですら、好んで顔だと認識します。

では、なぜ脳はこれほど顔が好きなのか。

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その理由は、「赤ちゃん」時代までさかのぼります。

人間は、生まれたてだと自分で何もできません。このように、誰かの世話がなければ生きていけない動物にとって、育ててくれるお母さんの顔を判別することは死活問題。つまり、生きていくために、人間は本能的に顔に鋭く反応するようにできているのです。

これほど顔が大好きな人間。もちろんコミュニケーションにおいても、顔を上げて、相手に自分の顔を見せるほうが印象はよくなります。

ようするに、目というよりは「顔」が重要だったのです。

「うっかり目が合った……」ときの視線マネジメント

では顔を向けたなら、「視線」はどこに持っていけばよいのでしょう。

相手の目を直視するのは、ある種危険な行為です。目と目が合うことで脳は敵対意識を感じ、にらみつけている印象を相手に抱かせてしまうことがあります。

おすすめは、相手の目ではなく、眉間か鼻を見ること。こうすると、直視するよりも目力がほどよく弱まり、相手は自然に目が合っていると思いやすくなります。

ここで気をつけていただきたいのは、顔は向けずに視線だけを送る行為。

横目でチラッと視線を投げたときに、隣の人と目が合った経験はありませんか。顔を見せいで目線だけが合うと、「あ、目が合っちゃった」という、なんだか気まずい感情がわいてくるはずです。

相手も同じで、顔ではなく目だけが合うと、相手もよくない印象を抱く可能性が高いので注意しましょう。

人と話すときは、自分の顔を相手にしっかり見せることを心がけましょう。

また、多くの動物に備わる「本能レベルの反応」をつかさどっている古い脳は待つのが苦手です。目と目がうっかり合った場合は、顔をしっかりと向けて会釈し、できるだけ早くその人に話を振れば、気まずい感情も薄まるでしょう。


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文=岩本武範/静岡産業大学教授

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