食&酒

2025.07.25 11:00

名門ヴーヴ・クリコの伝統と革新、新たな日本戦略はいかに

250年以上の歴史をもつシャンパーニュの名門メゾン「ヴーヴ・クリコ」。トランプ政権下で揺れる今、世界や日本でどう戦うか。CEOのジャン=マルク・ギャロに話を聞いた。


“ソレール”(太陽)のように輝くブランドとして、イエローカラーが象徴的なシャンパーニュメゾン ヴーヴ・クリコ。1772年にフランス・ランスで創業し、わずか27歳で未亡人となったマダム・クリコがその経営を引き継ぐ。ビジネス界における女性の進出が非常に困難だった時代に、遺憾なく商才を発揮し、後に、シャンパーニュ地方で「ラ・グランダム」(偉大なる女性)として広く知られるまでになる。世界各国への輸出をはじめ、シャンパンのクオリティそのものも大きく進化させ、現在のヴーヴ・クリコの礎を築いた。

シャンパーニュマーケットの傾向

世界的には、欧米のシャンパーニュマーケットはダウン傾向にあるという。LVMHグループで要職を歴任してきたヴーヴ・クリコ代表取締役CEOのジャン=マルク・ギャロは、次のように語る。

「アメリカは、トランプ氏の関税問題で輸出量が減り、厳しくなってきています。そして全体の半量を消費してきたフランスが過去10年ゆるやかに下降しているのです。そのなかにあって、ヴーヴ・クリコにとって、日本はとても強い市場。イエローラベルは世界トップの売り上げを誇ります。メゾンにとっては、最も大切なマーケットなのです」

そんな現状のなかで、どのような戦略を立てているのだろうか。

例えば、今年日本を皮切りに始まったばかりのピクニックイベントがそのひとつだ。富士山が正面に見える自然豊かなスペースで、ヴーヴ・クリコとのペアリングを楽しみながらランチをするというもの。

初夏を迎えた富士山の麓、大自然のなかでヴーヴ・クリコと食のペアリングを楽しむピクニックイベントが行われた。ランチはミシュラン二つ星の「ヴィラ アイーダ」の小林寛司シェフが腕をふるった。ラグジュアリーな料理とさまざまなキュヴェをペアリングさせるという贅沢を、自然や太陽を感じながら楽しむことを目的とした、新たなピクニックスタイルを表現。
初夏を迎えた富士山の麓、大自然のなかでヴーヴ・クリコと食のペアリングを楽しむピクニックイベントが行われた。ランチはミシュラン二つ星の「ヴィラ アイーダ」の小林寛司シェフが腕をふるった。ラグジュアリーな料理とさまざまなキュヴェをペアリングさせるという贅沢を、自然や太陽を感じながら楽しむことを目的とした、新たなピクニックスタイルを表現。

ギャロは狙いをこのように説明する。

「『品質はただひとつ、最高級だけ』というマダム・クリコの言葉通り、唯一無二、ほかでは決して味わえない経験をしてもらいたいと考えての結果です」

今後、パリ、NY、スペインで、順に開催していくという。

次ページ > 製品そのものへの注力による強化戦略

text and edited by Hiroko Komatsu

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