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2025.07.10 08:15

インバウンドの9割が訪問する百貨店、戦略の鍵はどこに

gettyimages / Vladimir Vladimirov

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コロナ禍を経て、訪日外国人の姿が日本に戻りつつあるなか、買い物の場として改めて注目されているのが「百貨店」だ。かつては高級ショッピングの代名詞だった百貨店も、インバウンド消費のなかでその役割を少しずつ変えつつある。

株式会社Paykeが、多言語対応アプリの利用者を対象に実施した調査によれば、訪日外国人の9割が日本滞在中に「百貨店を訪れた」と回答している。

 【調査概要】
調査名称:百貨店についての調査 
調査機関:自社調査 
調査対象:『Payke』アプリユーザー 
調査方法: Webアンケート 
調査期間:2025年5月12日〜2025年5月19日 
有効回答数:1452件

百貨店に求めているのはモノより体験

もっとも多かった来店理由は「日本でしか手に入らない商品」。続いて「自国より安く買える」「デパ地下での食体験」「品質や接客の安心感」が並んだ。訪日客が百貨店に期待しているのは、消費行動というよりも、特別な買い物体験だといえる。

なかでも特徴的なのは、言語圏ごとに買い物の楽しみ方に違いが見られたことだ。
繁体字圏の話者は「デパ地下の食品購入」が67%超と高く、食そのものを目的化していた。一方で韓国語話者は「日本限定ファッション」や「ラグジュアリーブランド」に強い関心を持ち、また英語話者は「ギフト・贈答品」「日本発コスメ」など、お土産や美容への関心が目立った。

かつてのインバウンドは、家電や高額ブランド品をまとめ買いする「爆買い型」が主流だったが、近年は「質の良い日用品」や「日本でしか体験できない買い物」へと関心がシフトしている。

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文=福島はるみ

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