世界の貿易統計や経済指標を集めた米国の情報サイトTradingEconomics.com には日本のデータも月次で整理されていて、全体の流れを把握できる。ここではこのTradingEconomics.comが報じた日本の輸出動向をまとめる。
2024年末から2025年初めにかけて、日本の輸出は半導体機械や自動車需要を背景に成長を加速し、2025年2月には前年比11.4%増と9カ月ぶりの高水準を記録した。しかし、米国による自動車・鉄鋼・アルミ関税の発動で勢いを失い、成長率は急減速した。
4月には2.0%増と7カ月ぶりの低水準となり、5月には前年比1.7%減へと転落した。関税引き上げの影響は特に対米輸出に表れ、自動車や関連部品の落ち込みが全体の重荷となっている。
日本の輸出が過去最高を記録(2025年01月23日)
2024年12月、日本からの輸出は前年比2.8%増の9910.6億円の新高値に達し、市場予測の2.3%を上回り、3カ月連続の成長を示した。
機械の輸出は3.7%増加し、その中でも半導体機械が10.6%増と牽引した。また、電機機械の売上は4.7%増加し、半導体が6.5%伸びたことが寄与した。
一方、科学・光学機器が5.0%増となり、その他の輸出は14.7%増加した。
化学品の輸出は6.3%増加し、プラスチックが6.9%増加して支えた。また、製造品の売上は0.3%増加し、主に鉄鋼製品が0.3%伸びたことが影響した。
対照的に、輸送機器の輸出は7.6%減少し、自動車(-5.9%)および乗用車(-5.2%)の落ち込みが響いた。
香港(14.2%)、台湾(17.2%)、韓国(10.9%)、インド(5.5%)、ドイツ(5.8%)、ロシア(10.3%)、およびEU(0.5%)への輸出が増加した。ASEAN諸国への売上は7.6%増加し、特にシンガポール(27.6%)とタイ(2.7%)が顕著だった。対照的に、中国(-3.0%)、アメリカ(-2.1%)、およびオーストラリア(-11.9%)への売上は減少した。



