新星爆発は「珍しくないが、珍しい」天文現象
NASAによれば、私たちが暮らす銀河系(天の川銀河)では毎年20~50個の新星爆発が起こっているとみられているが、そのほとんどは発見されないままだという。肉眼で見える新星はごくわずかで、たいていは見えない。また、同時に2つの新星が見つかった前例はない。
「これは間違いなく、極めてまれな現象だ」と米天文学者スティーブン・オメーラは宇宙天気情報サイトSpaceweather.comに語っている。「2つの新星の同時出現は私もまだ発見したことがない」
V572 Velorumはなぜ明るくなったのか
V572 VelorumとV462 Lupiは、どちらも古典新星とみられる。寿命を終えた恒星の高密度の残骸である白色矮星と、老化して膨張している赤色巨星の連星系において発生する爆発現象である。
NASAによると、白色矮星の重力に引き寄せられて伴星(赤色巨星)から高温の水素ガスが流出し、白色矮星の表面に降り積もって熱核融合爆発を引き起こす。恒星を消滅させる超新星爆発とは異なり、新星爆発は白色矮星の表面にのみ影響を及ぼすため、同じプロセスが何度も繰り返される。新星爆発が起こると、その天体は何百万倍もの明るさを放つ。
新星爆発はリチウム(と太陽系の素)を生成する
リチウムは、リチウム電池やリチウムイオン電池でおなじみの元素で、耐熱ガラスやセラミック、さらには気分安定薬の製造にも使われている。2020年に発表された論文によれば、太陽系および天の川銀河に存在するリチウムの大半は、V572 VelorumやV462 Lupiのような古典新星爆発によって生成されている。この研究チームは以前、太陽系の素となる分子雲の形成に新星が寄与していることを発見した。


