宇宙

2025.07.03 12:30

新たな新星を「ほ座」で発見、同時に2つの新星出現は極めてレア

ほ座に出現した新星「V572 Velorum」の位置を示した星図(IAU and Sky & Telescope, CC BY 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/4.0>, via Wikimedia Commons)

ほ座に出現した新星「V572 Velorum」の位置を示した星図(IAU and Sky & Telescope, CC BY 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/4.0>, via Wikimedia Commons)

おおかみ座に新星「V462 Lupi」が出現して話題を呼んだばかりだが、また新たな新星が南天の星座、ほ座に見つかり「V572 Velorum」と名付けられた。どちらも南半球から肉眼で観測でき、通常時とは比べものにならない明るさで輝いている。

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おおかみ座に「新星」出現、300万倍の増光で肉眼観測も可能 どこに見える?

これほど短期間に新星の発見が相次ぐのは極めてまれで、天文関係者からも驚きの声が上がった。というのも天文界は今まさに、およそ80年周期で爆発を繰り返す「かんむり座T星(T CrB)」の新星爆発を待ち構えているところだからだ。

米航空宇宙局(NASA)は新星について、大きさは地球とそれほど変わらない高密度の天体(コンパクト星)で突如起こる短期間の爆発現象だと説明している。英語で新星を指す「nova」は、ラテン語で「新しい」という意味だ。

V572 Velorumは新星爆発によって4.8等級まで、V462 Lupiは5.9等級まで増光し、ともに肉眼で観測可能な明るさになった。

V572 Velorumが見つかったのは6月25日、発見者はオーストラリア・ニューサウスウェールズ州グラフトンの天体物理学者ジョン・シーチである。「この新星は4.9等級まで明るくなり、肉眼で見える。私にとっては12個目、7年半ぶりの新星発見だ」とシーチはX(旧ツイッター)に投稿している。

英国とポーランドの天文学者によると、この星の通常の明るさは16.65等級だという。爆発後の急激な増光で、現在は通常の5万5000倍の輝きを放っている。

地球を周回する天文衛星フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡を使った観測では、この新星がガンマ線と呼ばれる最もエネルギーの高い光(電磁波)を放ったことが確認された。

アメリカ変光星観測者協会(AAVSO)のデータに基づく、ほ座の新星「V572 Velorum」の光度曲線(PopePompus, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)
アメリカ変光星観測者協会(AAVSO)のデータに基づく、ほ座の新星「V572 Velorum」の光度曲線(PopePompus, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)
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翻訳・編集=荻原藤緒

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