おおかみ座に新星「V462 Lupi」が出現して話題を呼んだばかりだが、また新たな新星が南天の星座、ほ座に見つかり「V572 Velorum」と名付けられた。どちらも南半球から肉眼で観測でき、通常時とは比べものにならない明るさで輝いている。
これほど短期間に新星の発見が相次ぐのは極めてまれで、天文関係者からも驚きの声が上がった。というのも天文界は今まさに、およそ80年周期で爆発を繰り返す「かんむり座T星(T CrB)」の新星爆発を待ち構えているところだからだ。
米航空宇宙局(NASA)は新星について、大きさは地球とそれほど変わらない高密度の天体(コンパクト星)で突如起こる短期間の爆発現象だと説明している。英語で新星を指す「nova」は、ラテン語で「新しい」という意味だ。
V572 Velorumは新星爆発によって4.8等級まで、V462 Lupiは5.9等級まで増光し、ともに肉眼で観測可能な明るさになった。
Nova Velorum 2025
— Dr John Seach (@johnseach) June 28, 2025
An image I have taken with 17 inch telescope on 27 June 2025. 2 nights after my discovery. Magnitude 4.9 pic.twitter.com/cFPg4gtCkf
V572 Velorumが見つかったのは6月25日、発見者はオーストラリア・ニューサウスウェールズ州グラフトンの天体物理学者ジョン・シーチである。「この新星は4.9等級まで明るくなり、肉眼で見える。私にとっては12個目、7年半ぶりの新星発見だ」とシーチはX(旧ツイッター)に投稿している。
英国とポーランドの天文学者によると、この星の通常の明るさは16.65等級だという。爆発後の急激な増光で、現在は通常の5万5000倍の輝きを放っている。
地球を周回する天文衛星フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡を使った観測では、この新星がガンマ線と呼ばれる最もエネルギーの高い光(電磁波)を放ったことが確認された。



