暑さ対策の新定番は「サーキュレーター」
今年の夏に欠かせない暑さ対策アイテムを尋ねた結果では、「サーキュレーター」が37.8%でトップとなった。サーキュレーターは冷房の効率を高めることで電気代削減にもつながるため、コスト意識の高まりを反映した結果といえる。
2位の「接触冷感機能のある寝具」(35.1%)、同率3位の「冷却スプレー・シートなど」「接触冷感機能のある衣類」(共に25.8%)は、電力を使わずに涼感を得られるアイテムだ。これらの結果から、電気代を抑えながらも快適性は維持したいという、現実的な対策も重視されていることがわかる。

男性にも広がる日傘文化
日焼け対策については性別による明確な違いが表れた。女性では「日焼け止め」(76.7%)、「日傘」(66.0%)、「帽子」(54.3%)が上位を占める一方、男性では「帽子」(46.2%)が最多となったものの、「日焼け止め」(32.4%)の使用率は女性の半分以下にとどまった。


ただし、男性の間でも日傘に対する意識は確実に変化している。「最近は男性でも日傘が使えるようになった」(50代男性)、「去年初めて買って使ってみて、使わない時よりも暑さが和らいだのを実感した」(40代男性)といった声からは、効果を実感することで、従来の固定観念を打ち破る動きが広がっていることがわかる。
電気代と健康のジレンマをどう解決するか
今回の調査結果が示すのは、現代の夏が「暑さ」対「電気代」という新たなジレンマを抱えていることだ。かつては「暑ければエアコンをつける」という単純な選択だった習慣が、今や「健康を取るか、家計を取るか」という判断を迫られる状況となっている。
特に高齢者世帯や子育て世帯など、熱中症リスクが高い一方で家計への負担も重い世帯にとって、この問題は深刻だ。政府や自治体による電気代補助制度や、省エネ家電への買い替え支援などの政策的な対応も必要になってくるかもしれない。
一方で、今回の調査で注目したいのは、消費者が電気代高騰という制約の中でも、創意工夫によって快適性を確保しようとしている点だ。サーキュレーターや接触冷感グッズの活用、エアコンの効率化など、「賢い暑さ対策」が定着しつつある。この傾向は、環境負荷の軽減にもつながる前向きな変化といえるだろう。
電気代を気にしながらも工夫によって健康を守る。そんな新しい夏の過ごし方が、日本の家庭に根付き始めているのかもしれない。
【調査概要】
調査期間:2025年6月13日~16日
調査対象:全国の男女
有効回答数:4,164名
調査方法:インターネット調査
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