エアコンをつけるたびに電気代を気にする夏が、もはや当たり前になった。生活者と社会の生活満足度向上に資する研究・発信を行うくふう生活者総合研究所が2025年6月に実施した「猛暑を迎える準備に関する調査」によると、2024年の夏に「冷房で電気代が高騰した」と答えた人は64.1%に上り、電気代への懸念が暑さ対策の最大の課題となっていることが明らかになった。
6割超が電気代高騰を経験
調査で昨年の夏の困りごとを尋ねたところ、「冷房で電気代が高額になったこと」が64.1%で最多となった。次いで「寝苦しさ・睡眠不足」(56.1%)、「汗をかくこと」(46.5%)が続き、暑さそのものと同程度に電気代への不安が大きな問題となっている実態が浮かび上がった。

電気代の高騰は家計に直接的な影響を与えるため、多くの人が冷房の使用を躊躇したり、設定温度を上げたりといった我慢を強いられた可能性がある。それでも「寝苦しさ・睡眠不足」という回答が5割を超えていることから、電気代を気にしながらも、健康維持のために最低限の冷房は使わざるを得ない状況がうかがえる。
夏の準備はエアコン掃除が最優先
本格的な夏に向けた準備として最も多く挙げられたのは「エアコンの掃除」で56.1%。これは単なる快適性の向上だけでなく、掃除によってエアコンの効率を高め、電気代を抑制したいという意図も含まれていると考えられる。
続いて「屋外に日よけの設置」(24.6%)、「涼感あるインテリアにする」(21.8%)が上位に入り、機械的な冷房に頼るだけでなく、多角的なアプローチで暑さに備えようとする姿勢が見て取れる。

実際に電気代削減に向けた取り組みとして、「エアコンを新型に替え、交流から直流に変更した」(50代男性)、「昨年度にサーキュレーターを購入した」(70代以上男性)といった機器の更新を行う人が目立つ。
さらに根本的な対策として「断熱カーテンを導入し、遮光と断熱に効果があった。キッチンにも断熱カーテンをつけるか検討中」(30代女性)、「高断熱の家を建て、太陽光発電を導入した」(30代女性)など、住環境そのものから見直す動きも見られた。



