雑談が嫌いな人もいる。人々が交わる場で、どうすれば気まずい思いをせずにうまく世間話ができるのだろう、と思っている人もいるかもしれない。
しかし、雑談には思った以上に大きな効果がある。人とちょっとだけ言葉を交わしたり、どうでもいい会話を交わしたりするだけでも、幸福とウェルビーイングの向上に役立つ可能性があるという、驚くようなデータが明らかになっている。
いまの時代は、孤独が伝染病のように蔓延している。「自分は孤独だ」と答えた人は50%に達し、「友だちが少ない」「友だちが1人もいない」と答えた人もかなりの割合を占める。重要なのは、孤独と友人の少なさはともに感情面、認知面、身体面に悪影響を及ぼすことだ。
こうした現実のなか、周囲の人とつながっているという感覚を強める上で大いに役立つのが雑談だ。
上手に雑談するには
では、どうやって雑談すればいいのだろうか。雑談力を身に着け、雑談を楽しむ方法はあるのだろうか。
1. 雑談の機会を逃さない
上手に雑談したいときの一つの方法は、機会が訪れたときにすぐさま始められるようにしておくことだ。
オンライン語学学習プラットフォームPreply(プレプリー)が米国で実施した調査では、雑談がよく始まる場として挙げられたのは、社交的なイベント(69%)、列に並んでいるとき(64%)、職場(63%)、買い物中(49%)、飲食店(39%)、コーヒーショップ(31%)、美容院やスパ(28%)、エレベーター(25%)、飛行機での移動中(24%)、ライドシェアやタクシーの乗車中(23%)、ジムやフィットネスセンター(17%)、電車やバスの車内(12%)だ。
どのような場所であれ、雑談できる機会がないかアンテナを張り、人とおしゃべりできそうな場面に出くわしたら、思い切って話しかけてみよう。
2. 適切な話題を選ぶ
雑談上手になりたければ、話のタネをあれこれ用意しておくのがいい。プレプリーの調査によると雑談の典型的な話題は、天気(回答者の62%)、仕事(38%)、家族(29%)、社会情勢(28%)、スポーツ(23%)、暮らし向き(20%)、交通渋滞(14%)だ。
ただし、こうした話題については注意も必要だ。スポーツや時事問題、家族は、最も典型的な雑談の話題であると同時に、人が最も避けたい話題でもあるからだ。
3. ボディランゲージを活用する
上手に雑談するもう一つの重要な手段が、非言語的なコミュニケーションの活用だ。
雑談するときは身を乗り出し、目を合わせ、笑顔を浮かべよう。こうしたしぐさや行動を見せると、会話に積極的な姿勢を効果的に示せることが、専門誌『Social Psychological and Personality Science』に掲載された研究で明らかになっている。



