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2025.07.08 08:45

「GPTが御社名を回答」が市場を制す 急げ、SEOから「LLMO」へ

Shuttterstock

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近年Googleは、AI技術を積極的に検索エンジンに統合させています。特に検索ワードについてAIが情報を要約し、検索結果ページの上部に表示する「AI Overview」の表示機会の増加や、米国で本格導入された会話型検索機能の「AI Mode」は、検索体験の質を向上させています。

その一方で、これらはウェブサイトへの流入に影響を与えています。AI Overviewが表出するキーワードの数は、日々増加傾向にありますが、SEO ツールを提供するAhrefsの調査によると、検索結果にAI Overviewが表示される場合、上位ページの平均クリック率 (CTR) は34.5%低下することが分かったそうです。

検索者は、AI Overviewのおかげで求める情報を短時間で効率的に得やすくなった一方、ウェブサイトの運営者としては、インターネットに情報を提供してもトラフィックや広告収益というリターンを得づらくなってきているということです。AI Modeは、もはや従来の各Webページのリンクから最適な答えを探しにいくのではなく、チャットボットのように、AIと対話を進めながら複雑な内容を探索する体験に変わっています。

LLMOとは何か

このような、AI Overviewによる即時的な情報提供と、AI Modeによる対話を通じた深い情報探索は、ユーザーが情報を得るまでのプロセスを根本から変えようとしています。企業やウェブサイト運営者は、AI時代の検索行動の変化を的確に捉えて対策をしていく必要があるでしょう。こうした状況で、昨今にわかに注目を集めているのが「LLMO(大規模言語モデル最適化)」と呼ばれる手法です。

LLMOとは、ChatGPTやGemini、AI ModeといったAIチャットボットとの会話のなかで自社の名前を適切な文脈で表出させたり、AI Overviewsに自社の名前やウェブサイトのリンクを引用させたりするためのマーケティング手法です。

筆者の竹内渓太が代表を務めるLANYでは今年5月に「LLMO診断」と呼ばれるサービスをリリースしました。これは、AIチャットボットやAI Overviewでの自社や競合の言及状況、AIチャットボット経由のトラフィックを可視化し、自社がよりLLMに選ばれるようにするためにどのような課題があるのかを見える化するものです。


多くの問い合わせのなかで見えてきたのは、すでにLLMOに向けて動き始めている企業がいるということです。目の前のマーケティング活動だけでなく、数年後の未来を見据えて投資判断をしている先進的な企業の経営者や事業責任者を中心に、LLMOに高い関心を持っている人が増加しています。

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文=竹内渓太 編集=露原直人

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