いよいよだ。米航空宇宙局(NASA)は6月30日、運営するストリーミングサービス「NASA+」をNetflix(ネットフリックス)でも提供すると発表した。ロケットの打ち上げや宇宙飛行士の宇宙遊泳、ミッションの中継、国際宇宙ステーション(ISS)からのライブの地球の眺めなど、すべてのコンテンツがNetflixで視聴可能になる。
開始時期についてNASAは「今夏から」と述べているが、NASAもNetflixも具体的な日付は明らかにしていない。
だがNASAは「Netflixは世界に7億人以上の視聴者を抱えている」と述べ、世界中のNetflixで視聴可能になることを明らかにした。Netflixの2025年3月時点の有料会員数は3億人超だった。
NASA+とは
すでに提供されているNASA+は、サービスであるNASA TVをアップグレードして2023年に独立した無料のストリーミングサービスとして始まった。ミッションの中継、研究所やISSからのコンテンツ、アーカイブ映像、ドキュメンタリーを配信している。
また、今回の提携はNetflixでのみコンテンツが視聴できるというものでもない。NetflixはNASA+のコンテンツを配信するが、NASAのアプリやウェブサイトでも同じものを広告なしで無料で閲覧できる。
1958年制定の航空宇宙法
NASA+のゼネラルマネジャーであるレベッカ・サーモンズは「1958年に制定された米国家航空宇宙法は可能な限り多くの人と宇宙探査の状況を共有するよう求めている。快適なソファーから、あるいは手にしている携帯電話から新しい世代にインスピレーションを与えつつ、ともに革新と探求の黄金時代を築くことを約束する」と説明した。
NASAは今回のNetflixとの提携について、「NASAの発見や発明、宇宙探査の興奮をさまざまな場所にいる人々に届ける」ことを目標としているとプレスリリースで説明している。
NASA+で視聴できる内容
多くのNetflixユーザーにとって最大の魅力は、フロリダ州ケープカナベラルからのロケット打ち上げを見ることができることだろう(通常はスペースXのファルコン9が宇宙飛行士をISSに運び、パラシュートでクルーを帰還させる)。また、リアルタイムのサイエンスブリーフィングやミッション準備の舞台裏、宇宙飛行士が登場するISSからの中継も視聴できる。
NASA+の「Netflixデビュー」日は不明だが、次のロケット打ち上げは米東部夏時間7月3日午後3時32分に予定されており、ロシアの宇宙機関ロスコスモスがカザフスタンのバイコヌール宇宙基地からISSに物資を届けるプログレス92補給船を打ち上げる。