ビジネス

2025.07.03 08:00

女性起業家に投資せよ、わずか2%のVC資金しか届かない現実と男性より高い売上 米国

Shutterstock.com

Shutterstock.com

「お金の後を追え」とは、企業の取締役会や投資家向けの売り込み、経済予測でよく聞かれる言葉だ。意外な展開かもしれないが、本気でお金の後を追いたいなら、女性に投資する必要がある。女性が経営するビジネスは、利益率も投資1ドルあたりの売上も、複数の重要業績指標(KPI)も、男性が経営するビジネスを上回るというデータがあるのだ。

にもかかわらず、女性が手にしている投資資本は、世界全体のごく一部にすぎない。

調達資金の男女格差

女性の方が優れた成果を上げていることを裏付ける証拠があるにもかかわらず、女性が手にしているベンチャーキャピタル資金は、全体の2%にも満たない。女性経営者が十分な資金を獲得できないのは、仕組みが偏っているためだ。

投資家向けのピッチミーティングでは、イノベーションやデータより「なじみがあること」や「典型的なパターンに当てはまること」が、どうしても高く評価されがちだ。つまり投資家は、自分と似た人間や既知の事業に投資しがち、ということだ。その結果、資金を受け取るべき女性たちが、ビジネス拡大に必要な資金調達のチャンスから締め出されてしまっている。

女性たちはかつてないペースで起業しているが、深刻な資金不足から抜け出すことがいまだにできていない。ビジネスの成長と資金支援のあいだにこうしたずれが生じることは、ただ不公平であるばかりか、経済的にも理にかなっていない。私たちは、女性の足を引っ張っているだけではない。女性が経営するビジネスへの投資を増やさないことで、経済全体の足を引っ張っているのだ。

女性創業者の方が高業績を達成

Boston Consulting Group(ボストンコンサルティンググループ:BCG)の調査で明らかになったように、女性が創業または共同創業したスタートアップの投資1ドルあたりの売上は78セントだ。これに対して、男性が創業または共同創業したスタートアップの場合は31セントにすぎない。また、女性は資金調達額こそ低いものの、女性が率いるスタートアップの5年間の累積売上は、男性が率いるスタートアップより10%も多い。

こうしたことから見えてくるのは、女性は粘り強く経営に取り組み、経営効率に優れ、長期的なビジョンをもつということだ。それはおそらく、資金が乏しくても自力で何とかせざるを得なかった結果だろう。女性経営者は、たとえリソースに乏しくても、より戦略的にビジネスを成長させ、その結果として優れた利益率とリターンを達成している。

次ページ > 投資家が女性経営者に目を向けるべき理由

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事