2025.07.06 12:00

本当のアメ車とは? 最も「アメリカ製」度が高い車ランキング、トップ20の半数が「日本車」

Cars.comの調査によると、米国で販売されている2025年モデルの車で最も「アメリカ製」度が高い車種はテスラ モデルだった(Tesla)

Cars.comの調査によると、米国で販売されている2025年モデルの車で最も「アメリカ製」度が高い車種はテスラ モデルだった(Tesla)

米国ではこの数十年間、「アメリカ製を買う」という概念は、乗用車、ピックアップトラック、SUVといった自動車の購入において、主に愛国心から米国内の自動車メーカーと全米自動車労働組合を支援し、1980年代に米国に押し寄せてますます人気を高めていった輸入車の急増に対抗する行動だった。

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この概念は現在、米国に輸入される車両や部品に課せられることになった関税のために、重要な財務上の考慮すべき事柄となっている。米国に直接輸入される車両に加え、カナダやメキシコで組み立てられた米国ブランドの自動車や、中国から調達される多数の部品、そして輸入される鉄鋼材にも高額な追加関税が課せられることになったからだ。

一部の自動車メーカーでは、少なくとも当分の間は関税コストを吸収できる状況にあるとしているが、それ以外のメーカーは関税の引き上げによる値上がり分の全部または一部を販売価格に転嫁したり、部品や車体の生産拠点を転移するなどして対応していくほかに選択の余地はなくなる。関係筋によると、最終的に米国へ輸入される自動車は5000ドル(約72万円)から1万ドル(約144万円)、米国内で生産される自動車でも2000ドル(約29万円)から3000ドル(約43万円)の値上げが予測されるという。

そこで間違いなく消費者を混乱させるのは、「米国産車」と「輸入車」の境界線が年々曖昧になっているという実情だ。

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アジアや欧州の多くの自動車メーカーは、米国市場向けに車両を生産・販売するための拠点を米国内に設けているだけでなく、そこで生産された車両を他国へ輸出さえしている。伝統的な「ビッグ3」呼ばれる米国の自動車メーカーでも、特定の車種の全体または一部をカナダ(「シボレー シルバラード1500」)やメキシコ(「フォード マヴェリック」や「GMC シエラ1500」)で製造しており、販売店の展示場に届くまでに国境を何度も越える場合もある。あるいは、韓国などの他国ですべて生産した車両を米国へ輸入し、米国ブランドの車として販売しているものもある(「ビュイック アンコール GX」と「ビュイック エンビスタ」)。

この点に関して消費者がよく理解したうえで選択できるように、そして特にできるだけ追加関税によるコストを回避するために役立つように、新車・中古車の購入支援サイト「Cars.com」は、現在販売されている2025年モデルの乗用車、ピックアップトラック、SUVの中で最も「アメリカ製」度が高い車種を調べ上げ、今年度版「アメリカ製指数」を発表した。

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翻訳=日下部博一

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