1年に1回ずつ、太陽と地球の距離が最も近づく日と最も遠ざかる日がある。それはいつだかご存じだろうか? 普通に考えたら、暑い夏こそ太陽が近く、寒い冬は太陽が遠いと思うかもしれない。真相は真逆だ。
今週の金曜日、地球は遠日点に到達し、今年最も太陽から遠ざかる。では、なぜこんなに暑いのか。それは、季節の変化を生んでいるのは地球から太陽までの距離ではなく、地軸(地球の自転軸)の傾きだからだ。
地球が1年かけて太陽の周りを公転している間、やはりそれぞれに太陽を公転している他の惑星たちは、地上にいる私たちにさまざまな姿を見せてくれる。今週は火星、金星、水星の絶景を楽しめる。2025年7月最初の1週間の星空についてまとめた。
7月1日(火):月、火星、レグルス
日没後、夜の帳が下りる頃に西の方角を見ると、月齢5.7のふくよかな弓形の月が空にかかり、その右斜め下に赤い火星と青白い1等星レグルスがある。レグルスはしし座で最も明るい星で、地球から約70光年離れている。
7月3日(木):上弦の月とスピカ
月は日本時間7月3日午前4時30分に上弦を迎える。3日の夕暮れは南西の空で、半月と地球から約261光年先にあるおとめ座の1等星スピカがランデブーする。そのまま右方向へと目を動かすと、西の空に火星とレグルスが光っているのも見える。
7月4日(金):地球が遠日点通過
この日、地球は遠日点(aphelion)を通過する。遠日点とは天体の公転軌道の中で太陽から最も遠い地点のことで、地球の場合は太陽から約1億5200万kmまで遠ざかる。逆に太陽に最も近づく近日点(perihelion)は今年1月4日に通過しており、このときの太陽と地球の距離は約1億4700万kmだった。
もし日食グラス(日食メガネ)が手元にあるなら、2025年最少の太陽を観察してみてほしい。太陽の表面に黒点(太陽活動が活発で磁場の強い領域)を見つけられるかもしれない。



