健康

2025.07.04 07:15

熱中症の「頭痛」は危険信号 9割弱が受診せず

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86%が「受診せず」、オンライン診療はわずか0.3%

最も深刻な問題は、熱中症経験者の医療機関受診率の低さだ。「受診していない」が86.2%と圧倒的多数を占め、「対面で受診した」はわずか13.5%にとどまった。さらに「オンラインで受診した」は0.3%と、ほとんど利用されていない実態が明らかになった。

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この背景には、「ちょっとした不調で病院に行くのは大げさ」という感覚や、「水分補給すれば治る」という自己判断があると考えられる。また、オンライン診療の利用率の低さからは、急性症状での遠隔医療がまだ一般的な選択肢として定着していない現状もうかがえる。

「休めない」文化が命を危険にさらす

今回の調査結果で最も深刻なのは、9割もの人が医療機関を受診していないという事実だろう。筆者自身、ある夏の暑い日に仕事で屋外を歩いていて少し頭痛がすると思っていたところ、みるみるうちに悪寒が押し寄せてきて、立ち上がれなくなったことがある。不調はその後数日間続いたが、それでも「病院に行く」という選択肢は頭に浮かばなかった。

医療機関を受診しなかった理由に、「これくらいで病院に行くのは大げさ」という刷り込みに近い感覚があった。「体調不良でも我慢して働く」という労働文化が、個人の判断にまで深く根を張っているのだ。

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しかし、その「ちょっとした我慢」が、時として生命に関わる事態を招きかねないのが熱中症の怖さだ。症状は急激に悪化することがあり、楽観的な判断は危険だ。まずは一人ひとりが、軽い症状でも躊躇せずに医療機関を利用するという意識を持つことが必要だろう。

【調査概要】
調査期間:2025年5月19日〜20日
調査対象:全国20〜70代の男女
有効回答数:867名
調査方法:ヘルスケアアプリ「HELPO(ヘルポ)」を通じたアプリ内調査

プレスリリース

文=池田美樹

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