植田とパウエル、世界の中央銀行総裁としてどちらが最も厄介な仕事を抱えているのかは、まさに議論の分かれるところだ。植田の場合、幸いにも、パウエルがトランプからされているようには、日本の政治エスタブリッシュメントから激しい非難や強い不満をぶつけられていない。
とはいえ、日本の政治家たちが日本経済の低迷を植田のせいにし出せば状況はたちまち一変する。日本で1955年以来、わずか2回だけ短期間下野した以外、一貫して政権を担ってきた自由民主党は、景気減速の責任を日銀になすりつける術に長けている。折しも、石破率いる自民党は7月20日に参議院選を控えているだけに、日銀は政治側からの反撃に懸念をいっそう強めている。
だが真の脅威は、トランプが2期目の就任以降で最も大きな2つのバトルをどう扱うかにある。これらの戦いがどう展開するかは、日銀当局者も見極めに苦慮しているように、誰にとっても予測不能だ。


