持続可能なのか?
フェイスレスは次の大きなトレンドとなると声を大にしていうクリエイターもいるが、誰もが持続可能なモデルだと確信しているわけではない。批評家たちは、このビジネスモデルがサードパーティのプラットフォームや、再利用されたり中身がなかったり、誤解を招いたりすることが多いAI生成のコンテンツに依存しすぎていることを特に懸念している。
TikTokとMetaはAIが生成したものであることを開示する方針を導入している。また、Etsy(エッツィー)のようなオンラインマーケットプレイスは、ハンドメイドと表示されたAI生成製品の取り締まりを始めている。信頼の問題もある。フェイスレスの製品は信頼性を築けるのだろうか。匿名のクリエイターが顧客からの問い合わせに応じ、有意義な反復を行い、否定的なフィードバックに対応できるのだろうか。
「フェイスレスの創作に責任が伴わない危険性がある」と匿名希望のスタートアップ投資家は言う。「誰も責任を負わなければ、品質は低下する。そして、プラットフォームが規則を変えれば、こうしたビジネスの多くは一夜にして消えてしまうだろう」。
ケンプはこうしたリスクがあることを認めている。しかし、ケンプや他の多くのフェイスレス動画のクリエイターにとって、トレードオフは意図的なものだ。「これらのクリエイターの多くは、次のSaaSユニコーンになろうとしているわけではない。自主性を犠牲にすることなく、持続可能な収入源を築こうとしているだけだ」とケンプは言う。
クリエイティブな仕事の本当の意味、起業家精神とは
このモデルが将来のアルゴリズム変更やプラットフォームの取り締まりに耐えられるかどうかはまだわからない。だが今のところ、AIが起業のハードルを下げ、クリエイティブな仕事の本当の意味について新たな疑問を投げかけていることは明白だ。
かつて起業家精神とはプレゼン資料や製品デモ、そして多くの懐疑的な投資家を意味した。その後、パーソナルブランドやオーディエンス、そして絶え間ないコンテンツ供給を意味するようになった。
今、新世代のデジタルワーカーにとって、起業家精神とは多くの支持者やオフィス、チームを意味しない。10万ドル以上の収入を生み出す驚くべきビジネスを普通の人が構築するのに役立つアイデアとインターネット接続、そしてAIを搭載した一連のツールのことを指す。


