ヘルスケア

2025.06.28 08:00

「カミソリ刃の喉」が症状? 新型コロナ変異株「ニンバス」、夏の感染拡大に注意

Shutterstock.com

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これはちょっと“のみ込み”にくい話かもしれない。けれど、このところ「カミソリ刃の喉(razor blade throat)という言葉を耳にする機会が増えてはいないだろうか。この新語は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に由来する可能性のある症状のひとつを表すものとして使われている。カミソリの刃は、「喉に入れたいものランキング」ではピザやホットドッグなどのはるか下位に来るものに違いない。

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だが、喉にカミソリが刺さるような、鋭い強烈な痛みを感じるという報告が、非公式ながらますます増加しているのだ。そしてこれは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新たな変異株「NB.1.8.1」の出現・流行と時を同じくして起こっている。NB.1.8.1は最近、中国で新型コロナの新たな感染拡大を招き、ここへきて米国でも急速に広まっているオミクロン株派生型だ。

これは、NB.1.8.1がこれまでといくらか違ったタイプの新型コロナを引き起こしているということなのだろうか。正確に言えばそうではない。とはいえ、新型コロナがもたらし得る影響や、夏の感染拡大がまた起こる可能性にについて、わたしたちが引き続き注意を払うようあらためて警鐘を鳴らすものではある。

新たな変異株「ニンバス」、米国で主流に

少し前に出現した変異株NB.1.8.1について、ソーシャルメディアでは非公式の名前も広まり始めている。「ニンバス(Nimbus)」だ。これはたしかに、強力なパスワードめいたNB.1.8.1よりは少しは記憶に残りやすそうだ。カナダのオンタリオ州にあるグエルフ大学のT・ライアン・グレゴリー教授(統合生物学)が5月下旬、X(旧ツイッター)への投稿で使ったのが最初らしい。

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ニンバスは「nimble(すばやい)」と「incubus(夢魔)」を組み合わせた言葉のように聞こえるかもしれないが、これは気象用語でぎざぎざした形の「嵐雲」を指す。また、ゼウスやアテナ、あるいはテイラー・スウィフト(?)といった神々が降臨する際、周囲にまとう「後光」という意味もある。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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