ヘルスケア

2025.06.28 08:00

「カミソリ刃の喉」が症状? 新型コロナ変異株「ニンバス」、夏の感染拡大に注意

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さらに言えば、カミソリ刃の喉という症状を訴える患者のうち、どれくらいの割合が新型コロナ患者なのかもよくわからない。鼻腔と口腔の奥にある咽頭(いんとう)の炎症(咽頭炎)を引き起こす原因はいくつも考えられる。咽頭は食道への通り口になっているので、基本的に、口に入れてのみ込んだものはすべてこの筋肉の管を通ることになる。

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咽頭炎はさまざまなウイルスや細菌によって引き起こされる。アレルギー反応も原因になり得るし、胃酸の逆流、あるいはとくに熱いものや辛いものを食べることで発症する場合もある。咽頭炎は腫瘍(しゅよう)の兆候として表れることもある。さらに、口を開けて寝るだけでも、咽頭の粘膜が乾燥してしまい、起きた時に喉がひどい痛みに見舞われているかもしれない。喉の痛みの程度だけでは、咽頭炎の原因を高い確度で判定できないという点が重要だ。

一般的なウイルス感染症であれば1週間以内に治るはずなので、喉の痛みがそれ以上続くようなら、資格を持った医療専門家に相談しよう。念のために付け加えれば、ここでいう医療専門家とは、医師のように実際に医学的な訓練を受けた人のことであって、何やら魔法のような治療法を売り込んでいる人のことではない。症状の元になっている問題が“やばいやつ”でないか可能性をつぶし、細菌感染症のように治療を要する問題については治療を受けるのが大切だ。

「カミソリ刃の喉」、発症ならまず受診・検査を

喉がひどく痛む場合、結局のところ実際に診察や、必要に応じて追加の検査を受けない限り、原因を特定することはできない。だから「喉がひどく痛む、これは〇〇にかかったに違いない」と自分で即断するのは禁物だ。そうした症状が出た場合、医学的な評価のために次にやることは、ほかの症状はないかチェックすることと、本物の医療専門家の診察を受けることだ。診察では、喉や舌のほか、耳など喉と関連する部位が調べられるだろう。さらに、喉の奥を綿棒でこすって検体を採取し、連鎖球菌や新型コロナウイルスなどの有無を調べる検査も行われるかもしれない。

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近ごろは「これはたぶんコロナじゃないと思う」という言葉を聞くことはあっても、本来そのあとに続くべき言葉、つまり「検査で陰性だったから」という部分が抜け落ちているようなことも多いのではないか。繰り返しになるけれど、新型コロナのような感染症にかかったかどうかを判断する唯一の方法は、検査を受けることである。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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