映画『ジョーズ』(6月で公開50周年)を観たことがある人ならおそらく、「今日はプールにしておこう」、「泳ぐのはまた今度にして、ボートにとどまろう」などと思ったことがあるはずだ。
こうした考え方は多くの点で、楽しい時間を犠牲にする。「飛行機に乗るのが怖いから、ヨーロッパ旅行には行きたくない」、「ヘビにかまれるのが怖いから、キャンプには行きたくない」と言うのと同じようなものだ。
もちろん、飛行機事故で命を落としたり、ヘビにかまれたり、ジョーズのようなホホジロザメに食べられたりする可能性はある。しかし、心臓病を発症したり、がんになったり、自動車事故で命を落とすリスクもある。どちらがより可能性が高いかは、言うまでもないだろう。
少し無神経に聞こえるかもしれない。しかし、あなたが今読んでいる文章を書いたのは、毒ヘビを捕まえることを生業とし、余暇には、米国東海岸で(サメに関して)最も危険な入り江の一つでシマスズキをヤスで突いている男のコラムということを忘れないでほしい(スピアフィッシング中に見た素晴らしいサメの話もしたいが、それは別の記事にとっておこう)。要するに、筆者のリスク許容度は、普通の人とは少し違うということだ。
もちろん、合理的な人間は皆そうであるように、筆者もリスクは計算した上でとるべきだと強く信じている。そしてもちろん、どのような海でも、海を泳ぐことはリスクを伴う。サメはまさにそのリスクの一つだ。
ここでは、海のリスクを管理しながら、楽しい時間を過ごすための3つのルールを紹介する。
1. サメによるリスクだけでなく、海のあらゆるリスクに注意する
海水浴の最大のリスクを知っているだろうか? 引っかけ問題ではない。答えは、溺れることだ。
米国の海で溺れる確率は約300万分の1。サメに襲われて命を落とす確率は、2億6400万分の1以下だ──これは桁違いの差だ。膝まで海につかりながら『ジョーズ』の怖いシーンが頭に浮かんだときは、この事実を思い出してほしい。
溺れないための最善の方法は、監視員のいるビーチで泳ぐことだ。このルールは絶対に守ってほしい。
さらにサメに襲われて死ぬ確率は、海洋生物と人間の遭遇による死因の中で「最もよくあるもの」ではない。例えば世界全体で見ると、クラゲは毎年約50人の命を奪っているが、サメは5~10人程度だ。ただしサメの攻撃に比べると、クラゲによる死亡例は地理的に限定されており、主にオーストラリア北部と東南アジアで発生している。これらの地域には、致命的な毒を持つハコクラゲが生息している。
離岸流も、サメよりはるかに致命的だ。この事故は、監視員による救助の80%以上を占めている。この強い潮流に入り込むと、泳ぎの達人でも沖に流されてしまう可能性がある。
さらに日焼けや熱中症も、ビーチではよくある健康問題で、休暇が台無しになる可能性もある。天候に注意し、水分補給を怠らず、サンゴ礁に優しい日焼け止めを使用し、離岸流の見つけ方を知っておくことは、リスクを最小限に抑えながら楽しみを最大化するための実践的な方法だ。



