国内

2025.07.04 13:30

ドローンを地域物流の社会インフラへ

黄 春梅|インパクト・キャピタル (写真左)田路圭輔|エアロネクスト(同右)

田路:新しい産業をつくるには、強い技術と、市場を創造するサービスの両方が必要です。だからエアロネクストでは、移動するドローンに必要不可欠な重心制御技術を事業の入り口にしてきました。そして21年に立ち上げたNEXT DELIVERYは、満を持して打ち出した、市場創造のためのドローンによる物流サービスです。ここに至るまでに、ドローンの機体製造などのパートナー探しや、過疎地域での物流の実証、航空法の規制緩和に向けたエビデンス蓄積などに全方位で取り組んできました。その意味では、私がしていることはエコシステムづくりといえますね。特許を技術に変え、技術を製品に変え、製品をサービスに変え、サービスをプラットフォームに変えることをやっているわけですから。

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黄:私は起業家とお会いしてから、すぐには投資しないようにしています。ダイナミックなことを描くだけでなく、確実に遂行できるかを見極めるために、会社の動きを定点観測するのはもちろん、営業に同行してお客さんとのやり取りを見させてもらったり、起業家のSNSの投稿をチェックしたり。初回面談から投資まで、じっくりとご一緒するなかで、田路さんは有言実行してこられました。

田路:特許はこれまでに出願ベースで600件強、登録ベースで300件弱ほど手がけてきました。ドローンによる物流サービスは飛行件数が3000回を超え、無事故で安定的に飛ばせています。山梨県の小菅村から全国10エリアに配置しているドローン40機を制御していて、1人のパイロットが同時に5機のドローンを遠隔運航できています。この数が増えていくと運行コストも抑えられて、トラックの陸送サービスよりも安価で提供できるようになっていく。既存の物流産業の人手不足は深刻で、このままだと配達不能地域が広がってしまう。物流会社と連携しながら、地域のインフラを支えていきたい。

黄:エアロネクストには、システムチェンジのロールモデルになってもらいたい。そうしたら、社会課題解決で起業する人が増えたり、金融側がリスク資本を投入しやすくなったりして、どんどん良いスタートアップが生まれていくと思っています。

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ほぁん・ちゅんめい◎インパクト・キャピタル代表取締役。2005年より新生銀行(現SBI新生銀行)にて一貫して投資業務に従事。ベンチャー投資、バイアウト投資、邦銀系初のインパクト投資などを担当。24年2月にインパクト・キャピタルを始動。

とうじ・けいすけ◎エアロネクスト代表取締役CEO。電通などを経て、2017年7月にドローンに特化した知的財産(IP)の支援会社であるDRONE iPLAB(DiPL)を共同創業。同年11月、DiPLとの資本提携を機にエアロネクストに参画し、現職に。

文=眞鍋 武 写真=平岩 享

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私がこの起業家に投資した理由

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