投資家たちは、動画生成AIツールに大きな関心を示している。2025年のこの分野の巨額の資金調達としては、4月にニューヨークを拠点とするRunway(ランウェイ)が3億800万ドル(約54億7000万円)を調達したことや、1月にロンドンのSynthesia(シンセジア)が1億8000万ドル(約25億9000万円)を調達したことが挙げられる。
こうした中、2024年にカリフォルニアで設立された「Hedra(ヘドラ)」が5月15日、アンドリーセン・ホロウィッツのa16z Infraの主導で3200万ドル(約46億円)を調達したと発表した。このラウンドには、既存株主でアクセラレーターのa16z speedrunや、Abstract、Index Venturesらも参加した。これにより、同社の累計調達額は4300万ドルに達した。
We’re excited to share that Hedra has raised a $32M Series A led by a16z, with Matt Bornstein joining the board.
— Hedra (@hedra_labs) May 15, 2025
Existing investors including a16z speedrun, Abstract, and Index Ventures are also participating in the round.
We launched out of stealth last year with a simple… pic.twitter.com/7Zhfwkf0KU
このセクターに対する投資家の関心の高まりは、動画生成AI市場の急速な成長を反映している。調査会社Allied Market Researchによると2023年の市場規模は、全世界で約6億ドル(約860億円)だったが、同社はこれが2033年までに93億ドル(約1兆3400億円)に拡大すると予測している。
Hedraの創業者でCEOのミヒャエル・リンゲルバッハは、AIを使って可能な限り簡単に動画を作成できるようにすることが、より幅広い顧客層を獲得する上での鍵になると述べている。彼は、ブランド構築やマーケティング活動向けに動画を作成したい企業からの需要が特に大きくなると予想している。
「AI動画は企業にとって非常に大きなメリットがある。彼らは市場動向や文化的なトレンドを捉えるために、コンテンツを迅速に配信できる。また、どの動画が最も効果的かをテストするため、コンテンツを素早く改良したり、複数のローカル市場向けに多言語で動画を制作することも可能だ」と、リンゲルバッハは語る。
最近まで、動画生成AIツールのユーザーは熱心な個人クリエイターが中心で、SNSでバズることを目的としたコンテンツを制作するケースが大半だった。Hedraによると、既に250万人を超えるユーザーが同社のツールを使用してこのような動画を制作したという。
しかし、クオリティの向上に伴い、最近では企業もこのメディアの潜在的な可能性に気づき始めている。2024年に設立されたHedraが、今年初めにリリースした最新モデルの「Character-3」は、既に企業からの大きな関心を集めているという。


