今回のラウンドは360キャピタルが主導し、既存株主であるイタリアン・ファウンダーズ・ファンド(IFF)と14Peaks Capitalなどが参加した。2021年創業のSkillvueの累計調達額はこれで、950万ドル(約13億6000万円)に達した。このことは人材採用におけるAIというテーマに対する、投資家の関心の高さを裏付けている。
AIが果たす役割
IFFのパートナーであるロレンツォ・フランツィらは、採用をはじめより広範なHR業務におけるAIの活用は、今後ますます増えていくと確信している。「我々はこれが単なるトレンドではなく、今後数十年に渡って企業が人材を雇用・育成・評価する方法を再定義する、構造的な変革であると確信している」と、フランツィは語る。
彼らの意見は、多くの人に支持されている。例えば、英国のフィンテック大手Revolut(レボリュート)は、社員1万人の人材管理をサポートするため、数年前から自社開発したAIツールを使用している。同社は先日、このソリューションの外販を開始すると発表した。
それでも、レボリュートの人材プロダクト責任者であるアンドレイ・オプリソールは、人間が関与することの重要性を強調する。「真の人材育成は、マネージャーが直属の部下と対面で対話し、モチベーションを高めることで実現できる。一方、AIはデータや管理業務を処理する能力を高めている。それによって管理職は部下を次のステップに導いたり、会社のカルチャーの構築などの分野に、より多くの時間を割けるようになっている」と彼は語った。


