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2025.07.04 10:00

AIが書いたコードをAIで検証、「AIコードレビュー」の新興CodeAnt AIの実力

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米メタが5月に開催したカンファレンス「LlamaCon AI」に登壇したマイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、同社では新しいコードの30%が人口知能(AI)によって書かれていると語った。メタのマーク・ザッカーバーグも、近い将来、開発作業の半分がAIによって行われるようになると述べた。グーグルでは、既にコードの25%がAIによって書かかれているという。

この現象は加速している。アンソロピックのCEOであるダリオ・アモデイは、今後3カ月から6カ月以内にコードの90%をAIが生成するようになると予測している。アプリやウェブサイトの更新などをより迅速に実行したい企業にとって、これは朗報だ。しかしその一方で、AIが劣悪なコードを書くなどの潜在的なリスクもある。

ソフトウェア開発の自動化ツールを提供する企業Harnessの最近の調査によると、この分野のリーダーの半数以上が、「AIの書いたコードにデプロイエラーがあり、コードのデバッグにより多くの時間を費やした」と回答していた。「AIツールは、開発者の負担を劇的に軽減し、彼らが創造的な問題解決とイノベーションに集中できるようにする可能性を秘めている。しかし、AIは課題を完全に解決するものではない」と、HarnessのCEOのジョティ・バンサルは語る。

コードの検証プロセスを自動化する企業「CodeAnt AI(コードアントAI)」の共同創業者でCEOのアマルティア・ジャも同意見だ。「コードをいかに速く作成するかは重要ではない。本当に大切なのは、そのコードがいかにうまく機能するかということだ。バグやセキュリティ上の問題がないことや、設計された目的に対して最適化されているかどうかが問われる」と彼は言う。

ジャによると、AIがコードを生成するようになったことで、開発者の間では内容のチェックにより多くのリソースが必要になったという。「AIによるコーディングが普及する中、コードを書くことではなく、内容をレビューすることが新たなボトルネックになっている」と彼は警告する。

CodeAnt AIは、AIでこの問題を解決できると考えている。サンフランシスコに本社を置く同社は5月7日、シードラウンドで200万ドル(約2億8700万円)を調達したと発表した。同社のプラットフォームは、GitHubやGitLab、Bitbucket、Azure DevOpsといった開発者のワークフローと直接統合し、コードの品質、セキュリティ、コンプライアンスに関するフィードバックをほぼ瞬時に提供する。また、特定した問題をワンクリックで修正する機能も搭載している。

現在の有料顧客数は約50社で、1万人ほどのユーザーがCodeAnt AIを使用してコードをレビューしている。今回のラウンドはYコンビネータ、VitalStage Venturesのブライアン・シン、Uncorrelated Venturesらが主導した。調達した資金は、製品開発や技術者の採用に充当される見込みだ。

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編集=上田裕資

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