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2025.06.26 18:30

「ながらスマホ」で1万2000円。自転車の「青切符」にはどう対処する?

alphabe/ Shutterstock.com

では、実際に自転車事故を起こしてしまった際、どのような責任を問われるのかについても見ておきたい。

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自転車運転中に歩行者に衝突したり走行中の他の自転車と接触して、相手方にケガを負わせたり死亡させた場合、運転者は刑事上、民事上の責任を負うことになる。

まず、刑事上の責任としては、事故の態様や結果に応じ、過失傷害罪、過失致死罪、重過失致死傷罪に問われることがある。過失傷害罪や過失致死罪は罰金のみだが、重過失致死傷罪では罰金や懲役または禁錮のいずれかが科せられる。道路交通法違反にもあたり、安全運転義務違反の罪のほか、事故後負傷者の救護義務や危険防止措置義務を怠ると、ひき逃げの罪にも問われることになる。

民事上の責任としては、被害者に対し不法行為に基づく損害賠償責任を負う。小学生のように責任能力を欠く者が自転車事故を起こしたときは、親など運転者を監督する法的義務を負う者が、被害者に対し損害賠償責任を負うことになる。

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図表3は自転車での加害事故例をまとめたものだが、小学5年生の子どもが自転車を運転していて60代の女性に衝突したケースでは、運転していた子どもの母親に対して9521万円の賠償が命じられている。

なお、図表は裁判の判決例だが、示談などで解決された事例のなかには1億円を超えるものもあると聞いた。たとえ、自転車事故であっても、被害者が死亡したり重度の後遺障害が残るようなことがあったりすれば賠償額は高額になることや、加害者が未成年であっても責任を免れることはできない現状は理解しておきたい。

自転車保険は2つの保険から構成

自転車事故での賠償額を見ると、とても一般的な家庭の貯蓄でまかなえるような額ではない。そこで注目されているのが「自転車保険」だ。

自転車に乗るなら、この「自転車保険」での備えは必須だ。その理由は、自転車の運転に関して強制加入の保険が無いことにある。

自動車の場合は、公道で走行する際に自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の加入が法律で義務付けされており、交通事故などで他人にケガを負わせたり死亡させたりした際の人身事故についての補償がある。

次ページ > 自分自身で賠償責任をカバーできる保険を検討する必要

文=竹下さくら

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