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2025.06.25 17:00

イランには核開発能力も60%濃縮ウランも残存 脅威根絶には至らず

空爆を受けたイラン中部フォルドゥの核施設。2025年6月24日撮影(c) 2025 Maxar Technologies

空爆を受けたイラン中部フォルドゥの核施設。2025年6月24日撮影(c) 2025 Maxar Technologies

イランが核兵器を積極的に追求してきたのかどうかは、いまだに答えが出ていない。しかし、イランが濃縮計画に関する制限を少しどころか大幅に踏み越えてきたのは間違いない。

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それを裏づける情報は複数の情報源から得られ、なかでも最も重要なのは、核拡散防止条約(NPT)の順守状況の監視にあたる国際原子力機関(IAEA)からの情報である。IAEAは、イランがNPTの加盟国であるかぎり、イランの核施設への現地査察を行う権限を持つ唯一の外部組織である。実際、IAEAの査察チームは、イスラエルの攻撃が始まるわずか1週間前までそうした訪問を続けていた。

専門家たちは、イランの政権が数十年にわたりIAEAの要請を何度もはぐらかしたり、ごまかしてきたりする一方で、NPTから脱退はしなかったという事実を重視している。これまでNPTから脱退したのは北朝鮮だけであり、北朝鮮は2003年に脱退してから3年後、初の核実験に踏み切った。

ウランの濃縮度とその意味

ウランの濃縮とは、核連鎖反応を起こせる核分裂性同位体「ウラン235」の割合を高める工程を指す。ウラン235は天然ウランにわずか0.7%しか含まれておらず、残りのほとんどは「ウラン238」である。これら2つの同位体は化学的な性質が似通っているため、機械的に分離する必要がある。

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この分離は、まずウランをガス(六フッ化ウラン、常温では個体だが約56.5度で昇華する)に変換し、続いてそれを高速で回転する遠心分離機に投入することで行われる。回転によって相対的に重いウラン238は外側へ押し出され、ウラン235が中心近くに残る。ただ、両者の重量差はごくわずかなので、このプロセスには時間がかかる。遠心分離機の性能にもよるが、原子力発電用の低濃縮燃料で一般的な5%の濃縮度に達するのですら6カ月から1年を要する。

高濃縮ウランの下限値である20%まで濃縮するにはさらに数カ月かかる。このレベルのウランは、医療用アイソトープや工業材料をつくり出す研究用原子炉で使用されることが多い。高度な専門用途向けの少数の研究炉では60%濃縮のウランを用いる場合もあるが、これにはさらに1カ月が必要である。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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