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2015.08.31

香港のカジノ王を襲う業績低迷 中国の規制強化が原因

Galaxy Entertainment Groupがマカオに持つGalaxy Macau.<br />カジノのほか、ブランドショップやプールなどの施設も充実。(Stanislav Komogorov / Bigstock)



香港のカジノ運営元大手Galaxy Entertainment Groupは8月19日、「カジノ運営における一連の不運」によって、今年上期の業績が低迷したことを明らかにした。

Galaxy Entertainment Groupは、ビリオネアのLuiChe Woo(呂志和)が創業したマカオのカジノ運営会社大手。上期の純利益は66%減の20億香港ドル(約306億円)で、減益要因の一つとして、新施設の開業費用7億香港ドルを含む、10億香港ドルの経常外費用が挙げられる。

新規オープンしたのは、Galaxy Macauの第2期拡張部と、隣接するBroadway Macauで、前四半期の業績には35営業日分のみが加算されている。

マカオのカジノ収益の不振は、中国の習近平国家主席が主導する腐敗撲滅キャンペーンの影響が大きいとされる。7月には、14ヶ月連続で前年同月の売上を下回り、世界一のカジノ都市の経済に打撃を与えている。

Galaxyの上期の売上高は、前年同期比34%減の約254億香港ドル(約3,886億円)で、2Qの調整後EBITDAは前年同期比43%減の19億香港ドル(約291億円)となった。

過去10年間、マカオの繁栄を支えてきたのは、カジノ収益の70%を占めてきたVIPルームの売上だ。しかし、今ではその割合は57%まで落ち込んでいる。

業績が低迷する中、カジノ運営者らはVIP客への依存度を下げるべく、施設の更なる拡張を計画している。Melco Crown Entertainment、Wynn Macau、Sands Chinaは何れも一年以内に新施設のオープンを予定している。Galaxyは、第3期、第4期の拡張プロジェクトの調査が今年後半にスタートする可能性があることを火曜日に明らかにしている。

Galaxyの副会長で創業者の長男であるFrancis Lui(呂耀東)は、同社の方針について次の様に説明している。「中国本土からやってくる中間層は貴重な潜在顧客であり、我々はマーケットの展望に非常に楽観的だ。だからこそ、第3期、第4期の拡張プロジェクトを続行している。これらの顧客層向けに、新たなプロダクトを提供しなくてはならない」

Galaxy社の株価は過去一年間で49%以上下落しているが、LuiChe Wooは現在でも香港で五番目の富豪で、その資産は推定135億香港ドル(約2,065億円)とされている。

編集=上田裕資

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