感情に訴える音楽で効果大
研究では130人の大学生に日常生活で使う物の画像をたくさん見てもらい、その後、音楽を聴いてから1回目のものとは異なる画像を見てもらった。2回目の絵の一部は学生らが目にしたことのあるものだった。そして学生に2回目に目にした画像は新しいものか、それとも以前に見たことのあるものかを判断してもらった。
研究者らは、学生らが聴いた音楽が記憶のタスクの結果にどのような影響を与えるかを調べた。いくつかのグループに分けられた学生らに異なる音楽を聴いてもらい、曲についてどう感じたかを説明してもらった。
曲が楽しいもの、悲しいもの、馴染みのあるもの、いずれの場合でも記憶力に大きな違いはなかったようだ。だが、記憶の思い起こしに役立ったのは曲に対する感情的な反応の度合いだった。
「音楽に対して感情的になればなるほど、直前の出来事の要点をより多く記憶していた」とクラークは神経科学学会で語った。「しかし、音楽に対して感情反応がより穏やかだった人は、直前の出来事の細部をより詳細に記憶していた」とも話した。
つまり、ある人が音楽を聴いてどれくらい感情が揺さぶられるかによって、その人が出来事全体や出来事の詳細をどの程度記憶しているかが予測できるかもしれないのだ。
これは、記憶の呼び起こしを手伝っている音楽療法士にとって有益な情報だ。しかし研究者たちは、使用した曲が数曲だったため、研究はやや限定的だと指摘している。皆が音楽に同じ反応を示すとは限らないため、理想的には個人に合わせたアプローチが必要だろう。


