AIと自動化を念頭に設計
ルービン天文台は、ビッグデータと自動化の時代に対応するよう設計されている。セロ・パチョン山頂から大西洋に面したラ・セレナまで光ファイバーケーブルが引かれており、撮影された画像は数秒以内に米カリフォルニア州の研究所に設置されたスーパーコンピューターに転送され、AI(人工知能)駆動システムによって以前に撮影した画像と比較される。
天体の位置や明るさに変化がみられた場合、わずか2分以内に世界の科学コミュニティーに向けてアラートが発信される。10年間の観測ミッションの間、ルービン天文台は1夜あたり最大1000万件のアラートを生成し、既存のどんな望遠鏡よりもいち早く宇宙で起こった事象を特定する。
「空のスナップショット」を超えて
「これまでの天文観測で得られたものは、ほとんどがスナップショットにすぎなかった」と、ルービン天文台で画像処理を監督するユスラ・アルサイヤド博士は記者会見で述べた。「だが、空も世界も静止しているわけではない。小惑星が飛び交い、超新星が爆発している」
「これまで空のスナップショットをタイムラプス動画に変換できなかった理由のひとつは、PB(ペタバイト)級のデータを保存・転送処理し、解釈するためのデータ管理技術が20年前には存在しなかったからだ」
LSSTのデータセットの解析とマイニングには最先端の新しい自動アルゴリズムが用いられ、期待される科学的発見を可能にする。
なぜ超新星が重要なのか
ルービン天文台のさまざまな観測目標の中で、おそらく最も科学的興味をそそるのは超新星だろう。死にゆく恒星が大爆発するエネルギーは「宇宙の灯台」の役割を果たし、天文学者が広大な宇宙の距離を測定して、加速する宇宙の膨張を理解するのに役立つ。
1990年代には超新星の観測データから、暗黒エネルギーの存在が初めて明らかになった。ルービン天文台はこの発見を次の段階に進めようとしている。LSSTは、銀河系でこれまでに観測された一握りの超新星をはるかに超える数百万個の超新星を検出することで、宇宙膨張の時間軸を精緻化し、暗黒エネルギーの本質に迫る重要な手がかりを提供するはずだ。


