宇宙

2025.06.25 10:30

「史上最大のデジカメ」がとらえた驚愕の宇宙写真、チリのルービン天文台ついに始動

ベラ・C・ルービン天文台が7時間余の観測で撮影した678枚の画像を組み合わせて作成した、三裂星雲(右上)と干潟星雲の画像。星雲を構成するガスや塵の雲など、これまで捉えられていなかった細部がはっきりと浮かび上がって見える。2025年5月28日作成(NSF–DOE Vera C. Rubin Observatory)

銀河に暗黒物質(ダークマター)が存在する証拠を発見した天文学者ベラ・C・ルービンにちなんで命名されたこの天文台は、その偉業を継ぎ、暗黒物質のマッピングと暗黒エネルギーの探査にも挑む。また、星の死である超新星爆発の過程のモデル化や、加速する宇宙の膨張の研究にも貢献する。

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ルービン天文台はどこにある?

ルービン天文台は、米エネルギー省と米国立科学財団(NSF)の資金援助により、チリ中部ラ・セレナからエルキ渓谷沿いに道を上った標高2700mのセロ・パチョン山頂に建設された。アンデス山麓のこの一帯は、地球上で最も乾燥した場所といわれるアタカマ砂漠南部に位置し、非常に澄んだ空が広がる。光害の影響は一切なく、主要な飛行経路からも遠く離れている。

ベラ・C・ルービン天文台のシモニー・サーベイ望遠鏡。2024年10月24日に行われたカメラ試験の様子(RubinObs/NSF/DOE/NOIRLab/SLAC/AURA/H. Stockebrand)
ベラ・C・ルービン天文台のシモニー・サーベイ望遠鏡。2024年10月24日に行われたカメラ試験の様子(RubinObs/NSF/DOE/NOIRLab/SLAC/AURA/H. Stockebrand)

南半球という立地により、星野や星雲の密集する天の川銀河(銀河系)の中心や、銀河系の伴銀河である大マゼラン雲と小マゼラン雲をより鮮明に観測することもできる。

開発費240億円、「天体写真を再定義」する撮像装置

10年以上をかけ、総額1億6800万ドル(約240億円)を投じて開発されたLSSTカメラは、乗用車1台ほどの大きさで、重さは3トン以上。総画素数は32億画素で、撮影した画像を等倍表示すると4Kテレビ378台分の画面を埋め尽くす。6枚の光学フィルターを切り替えることで、紫外線から近赤外線まで全電磁スペクトルに対応した観測が可能となっている。視野角は9.6平方度である。

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ベラ・C・ルービン天文台のシモニー・サーベイ望遠鏡に設置されたLSSTカメラ(RubinObs/NSF/DOE/NOIRLab/SLAC/AURA/T. Lange)
ベラ・C・ルービン天文台のシモニー・サーベイ望遠鏡に設置されたLSSTカメラ(RubinObs/NSF/DOE/NOIRLab/SLAC/AURA/T. Lange)

「ルービンの発見力」、披露されたのはまだ片鱗

LSSTカメラのプログラムリーダーで、天文台建設の副責任者を務めるアーロン・ルードマン教授は、記者会見で「夜空の画像をとても素早く、しかも頻繁に撮影するので、文字どおり毎晩、何百万個もの変化する天体を検出できる」と説明。続けて、「これらの画像を組み合わせることで、数十億光年離れた銀河など、非常に暗い銀河や星もとらえることが可能になる。今回公開する初画像は、ルービンの発見力のほんの片鱗にすぎない」と語った。

ベラ・C・ルービン天文台が撮影したおとめ座銀河団の全体像に注釈を加えた画像。一見何でもないような宇宙空間も、ルービン天文台の目を通せば、きらびやかなタペストリーへと一変する。2025年6月5日作成(NSF–DOE Vera C. Rubin Observatory)
ベラ・C・ルービン天文台が撮影したおとめ座銀河団の全体像に注釈を加えた画像。一見何でもないような宇宙空間も、ルービン天文台の目を通せば、きらびやかなタペストリーへと一変する。2025年6月5日作成(NSF–DOE Vera C. Rubin Observatory)
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翻訳・編集=荻原藤緒

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