1対1なら話せるのに、複数、特に4人以上の場だと話しづらくなる――。これに思い当たる人は意外と少なくないでしょう。4人の場で、発言が多い順に1番手、2番手、3番手、4番手とした場合、「理想的なポジションは2番手」と、静岡産業大学教授で延べ3000億を超える人間の行動パターンを分析してきた岩本武範氏は言います。
そして、2番手になるうえで心がけたいのが「話を広げる」こと。岩本氏の著書『なぜ4人以上の場になると途端に会話が苦手になるのか』(サンマーク出版)から、一部引用・再編集してご紹介します。
飲み会で「ゴール前のパス回し」をする人たち
「会話」というものは、どうすれば広がっていくのでしょう。
まず、1番手はこちらが放っておいてもひとりで話しつづけます。なので、パスはもらっても、話を無理に振る必要はありません。
1番手にパスを返しつづけるのは、サッカーでいえば自陣のゴール前でずっとボールを回すようなものです。
「この人話しやすそう」と思ってもらうためにも、1番手以外の人に話をタイミングよくパスするのが2番手の役目といえるでしょう。
このとき注意しなくてはいけないのは、1番手の気分を害さないようにすること。気のない返事をしたり、話の腰を無理に折ったりすると、1番手の機嫌を損ねることも。
こうなると場の空気が悪くなって、会話もなかなか広がりづらくなります(あくまでも、先頭を走っている1番手に場のムードは左右されがちなことをお忘れなく)。
そこでやっていただきたいのが、1番手の話に区切りがつきそうなタイミング(文章で表すと「。」が3~4回続いた頃合い)を見計らって、
「なるほど! ところで◯◯さんはどう思いますか?」
というように、1番手の話を「へえ!」「なるほど!」「そうなんですね!」などの感嘆語で一度トラップして、さらっと別の人へ回す方法です。