経営・戦略

2025.06.26 11:30

繁栄するウォルマートと低迷するターゲット、命運を分けたのは「創業者のDNA」

Mario Tama/Getty Images

ウォルマートの創業もターゲットと同じく1962年であるが、創業当時のウォルマートは、アーカンソー州の片田舎という、おそらく米国で最も粋ではない場所にあった総合ディスカウントストアとしてスタートした。同社のモットーは、「Everyday Low Prices(毎日低価格)」もしくは「Always(いつも)」である。最初のウォルマート・スーパーセンターは1988年にオープンし、現在ではどこでも見かけるようになった、本格的な食料品売り場も併設された。

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創業者サム・ウォルトンの一族が今日でもその大部分を所有するウォルマートは、例えば雑貨売り場の規模を拡大するなど、ターゲットになろうとはしなかった。その代わりに、食料品事業を同社最大の事業へと育て上げることに集中し、その結果、2025年度における売上高6810億ドル(約98兆7200億円)の60%近くを食料品が占めるまでになったのだ。利益の大部分を生み出すのは一般商品だが、食料品売り場は人の往来を促進する。

道を踏み外した消費者向け企業の例は、枚挙にいとまがない。スターバックスの創業者であるハワード・シュルツは、2008年と2022年の2度に渡って同社の経営に復帰し、創業から続く、コミュニティを中心に据えたマーケティングと店舗文化を忘れかけていた同社を救っている。

それと同時に、優れたアイデアやビジネスモデルを長期にわたって育成することに成功した企業の例も多くある。その多くの場合、ウォルマートのような、創業家一族による所有がブランドの維持に役立っている。一方、ターゲットの株式は機関投資家を中心に広く保有されており、会社の伝統を維持する役割を持つデイトン家の一族は、経営に深く関わっていないようだ。

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forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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