欧州

2025.06.25 09:30

ロシアのシャヘド自爆ドローン、ジェットエンジンやAI搭載型も出現 迎撃の難易度上がる

ウクライナの首都キーウで2025年6月17日、ロシアのミサイルとドローン(無人機)による攻撃後、崩壊した住宅から遺体を運び出す救助隊員(Oleksii Samsonov/Global Images Ukraine via Getty Images)

ウクライナの首都キーウで2025年6月17日、ロシアのミサイルとドローン(無人機)による攻撃後、崩壊した住宅から遺体を運び出す救助隊員(Oleksii Samsonov/Global Images Ukraine via Getty Images)

ロシアがシャヘド型ドローン(無人機)を用いたウクライナの民間人に対する攻撃作戦を激化させている。19日から20日にかけての夜にはシャヘドの波状攻撃が南部オデーサを襲い、4階建ての住宅1棟が全壊したほか、複数の建物が損壊した。うち集合住宅1棟で火災が発生し、600人が避難を強いられる事態にもなった。

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ウクライナの情報機関は、一晩に襲来するシャヘドの数は現在の数百機から今後1000機に増える可能性があると警告している。ロシアは同時に、この低コスト攻撃ドローンを技術面と戦術面でも急速に進化させている。

ジェットエンジン、装甲化、視覚ナビ

イランで開発されたシャヘド136はシンプルな設計のドローンである。2サイクルのピストンエンジンでプロペラを駆動し、芝刈り機のような音をたてながら飛行する。機体は炭素繊維シートとハニカム構造材で構成され、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)のレポートでは「どんなDIY愛好家でも作れる」ほど簡素だと説明されている。

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とはいえ、ロシアでライセンス生産されているシャヘドは改良が重ねられ、ますます危険なものになっている。これまでに、黒い「ステルス」塗装、建物により大きな損害を与えるためのサーモバリック弾頭、死傷者を最大限に増やすことを狙ったクラスター弾頭、ジャミング(電波妨害)への耐性があるナビゲーション(航法)システムの搭載などが確認されてきた。

さらに重要な改良として、ターボジェットエンジンを搭載したシャヘドが出現している。イランは2023年に、ジェットエンジンを搭載したシャヘド238を公開しているが、ウクライナに投入されているものがそれと同一のものなのかは不明だ。ややこしいことに、イランは2024年9月の軍事パレードで、シャヘド136のジェット推進型とするドローンも披露していた。この件について詳しく調べたアナリストのシャフリヤール・パサンディデによると、イランのジェット推進型ドローンは少なくとも3種類存在するらしい。

ジェット推進型のシャヘドがウクライナに飛来しているという噂はしばらく前からあったが、最近になってようやく、回収された残骸で確認された。これに関してはたとえば、ウクライナの軍事メディア、ディフェンス・エクスプレスが6月11日配信の記事で報じている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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